『蜘蛛の巣』

一般 kilica 2006/10/27
蜘蛛の巣 上
蜘蛛の巣 上
posted with amazlet on 06.10.27
ピーター・トレメイン 甲斐 萬里江
東京創元社
蜘蛛の巣 下
蜘蛛の巣 下
posted with amazlet on 06.10.27
ピーター・トレメイン 甲斐 萬里江
東京創元社
7世紀アイルランドと言うこれまたマイナな時代と場所を舞台にしたミステリィです。まだ未読。 当時のまとまった文書資料というとベーダくらい? 調べて書くのは大変そうです。 中世を舞台にしたミステリィはほとんど探偵役が修道士ですが,本書も同様です。ただし女性(修道女)です。 欧米では人気のシリーズらしく,日本でも続刊が予定されているので楽しみです。

『チェーザレ』

一般 kilica 2006/10/27
15世紀イタリアを舞台にした漫画です。主人公はチェーザレ=ボルジア。 人物の書き方が上手く,主人公チェーザレの魅力はもちろん,その父親たちの怪物っぷり,ロレンツォ=デ=メディチ,コロンブス,レオナルド=ダ=ヴィンチといった同時代の有名人などの存在感もたっぷり描かれています。 物語を書くに当たって相当調査されているようで,そういった点でも読み応えがあります。 今のところピサが主舞台ですが,所々に懐かしい風景が見えます。また行きたいですね。不定期連載なので,今のペースで行くといつまでかかるか…。

積読ミステリーズ

一般 kilica 2006/10/8
まずい,かなり溜まっている…。
λに歯がない
λに歯がない
posted with amazlet on 06.10.08
森 博嗣
講談社
邪魅の雫
邪魅の雫
posted with amazlet on 06.10.08
京極 夏彦
講談社
読み始めました。手が痛くて肩が凝ります。
毒杯の囀(サエス゛)り
毒杯の囀(サエス゛)り
posted with amazlet on 06.10.08
ポール・ドハティー 古賀 弥生
東京創元社
nacky7 さんお奨め。14世紀のイングランドが舞台。
狼と香辛料〈3〉
狼と香辛料〈3〉
posted with amazlet on 06.10.08
支倉 凍砂
メディアワークス
ちゃんと10月に出ました。これはさくっと読める。はず。

『ローマ軍団大百科』

一般 kilica 2006/8/18
コミケから帰ってきてずっと家(というか部屋)に引きこもっていたので,たまには外に出ないといかんよなあと思い,自転車で名古屋駅まで行ってきました。暑かった。 途中,大須で次に組み立てるPCのパーツの下見に寄りましたが,何がなんだかよく分からず退散。マザーボードとグラフィックカードはぱっと見ただけじゃよく分かりませんね。雑誌でも買って研究しましょう。 三省堂で『ローマ軍団大百科』という本を見つけます。
古代ローマ軍団大百科
エイドリアン ゴールズワーシー Adrian Glodsworthy 池田 裕 池田 太郎 古畑 正富
東洋書林 (2005/11)
「大百科」を名乗るだけあって,ローマ軍について余すところなく記されており,おお,すげー,買いだよ買いと思いましたが 13,000 円という値段にさすがに手が出ませんでした。その半分くらいの値段を想定していたんですが(^ ^;。 でもいつか買いたいです。

「ある首斬り役人の日記」

一般 kilica 2006/7/8
ある首斬り役人の日記
フランツ・シュミット 藤代 幸一
白水社 (2003/12/11)
売り上げランキング: 55,209
「三. グローンラ・ヴァイグラ,クロイラン出身。一味とともに殺人を五件犯した人殺しを,ホルフェルトにて車裂きの刑に処した」 16世紀の首斬り役人が書き記した処刑の記録。上のような記述が延々綴られています。よくこんな本が出るなあと思いますが,元々は単行本で出ていたのが新書になったものなので,それなりに売れてるんでしょうね。 あまり一般向けではないかもしれませんが,興味深い本です。
  • 何をやって,どんな刑に処せられたかが,実態として分かる。
  • ニュルンベルク近郊の,結構広い地域(およそ 40km 四方)のあちこちで処刑を執行している。死刑執行人というと,なんとなく特定の都市の専属というイメージが強かった。
  • 年間数件?10件程度の処刑が記録されている。
  • 識字率が低かったと思われる当時で,首斬り役人自らがこれだけの記録を残したのはとても貴重な史料なのではないか
  • 訳者の前書きにもあるが,後年になるにつれ記述量が増える傾向がある

『中世ヨーロッパ入門』

一般 kilica 2006/6/27
中世ヨーロッパ入門
中世ヨーロッパ入門
posted with amazlet on 06.06.27
アンドリュー ラングリー Andrew Langley 池上 俊一
あすなろ書房 (2006/03)
中世ヨーロッパ騎士事典
クリストファー グラヴェット リリーフシステムズ 森岡 敬一郎
あすなろ書房 (2005/09)
売り上げランキング: 194,844
古城事典
古城事典
posted with amazlet on 06.06.27
クリストファー グラヴェット Christopher Gravett 森岡 敬一郎
あすなろ書房 (2006/02)
写真をふんだんに使った”「知」のビジュアル百科”という図鑑のシリーズです。むかし角川から出ていた「ビジュアル博物館」シリーズと中身はたぶんほとんど同じ,タイトルとカバーがちょっと変わり,値段が3,400円 → 2,100円と大幅に安くなりました。 どっちかというと写真よりもイラストの方が気に入ることが多いのですが,このシリーズの写真は身近に感じられて好きです。 「カラーイラスト世界の生活史」も新装版が出ないかなあ。

『中世の旅人 ヤン』

一般 kilica 2006/6/25
中世の旅人ヤン―遍歴する魂
鈴木 航伊知
連合出版 (2006/06)
中世ヨーロッパを舞台にした小説です。ただし,そのねらいはあとがきに端的に書かれています。
「そこで,ぼくはそれをひとに伝える本を書きたいと思った。やさしい文章で,中世にタイムスリップして,まわりの有り様を覗いているような,映画的な,肩の凝らないものにしたい。一冊読めば,中世の時代性が大雑把に分かる入門ガイドブックのような本にしたいと思った。」(あとがきより)
そのねらいどおりの内容で,簡素な文体で,主人公ヤンが修道院で幼少時代をすごし始めてから成長し舞台を村,そして都市へと移していく中で,中世の風景を詰め込んだと言う感じです。 物語にしてあるので,読みやすいですし頭にも入りやすい。ヴォリュームもたっぷりで,なかなかいい本です。

Avalon

一般 kilica 2006/5/29
SCA --- Society for Creative Anachronism --- といえば Rune Quest のルールブックの中で言及があることで古参のTRPGプレイヤの間では有名な組織ですが,日本でも同様の活動を行っている団体があり,それが Avalon という SCA から分離した団体です。 やっぱり活動拠点は東京のようで,残念ながら僕は参加できそうにありません。一度,鎧をつけるとどれくらい動きにくくなるかというのを体験してみたいなあと思うのですが。

ダヴィンチコード

一般 kilica 2006/5/7
今月はまもなく上映が始まる『ダヴィンチコード』関係の番組(スカパー!の話です)があちこちでやります。 今週はヒストリーチャネルで連日なにかやっているようで,「聖杯」「十字軍」「テンプルコード」あたりを予約。しかし「十字軍」は昔観たやつのような気がひしひしとします。 来週は,National Geographic, Discovery Channel でも特集が予定されています。 今朝は3月初のあたりに録画したヒストリーチャネルの「ペスト」を観ていました。 中世に大流行して後の歴史に大きな影響を与えた黒死病ですが,番組によればそれがイコールペストだとは完全には同定されていないとのことでした。腺ペストというのが一番有力な説で,次いで肺ペストと言う説,そして全く未知の病気だったという可能性も全くないわけではないとか。最近では黒死病で死んだ人の歯を調べてペスト菌のDNAを検出できないか頑張っているらしい。 という知識はともかく,とても中世っぽい映像が素敵でした。Monty Python and the Holy Grail も遜色ないんですが,どっちをほめるべきでしょうか。

『ヴァイキング時代』

一般 kilica 2006/4/1
ヴァイキング時代―諸文明の起源〈9〉
角谷 英則
京都大学学術出版会 (2006/03)
ヴァイキング研究の入門書。学説史を概観するところから始まるあたり,一般向けよりやや専門的ですが,文章が平易で面白いので読みこなすのは難しくありません。 ところで「諸文明の起源」というシリーズの9巻らしいのですが,他の巻がどんなタイトルなのかどこにも載っていないあたり大学の出版物っぽいと言うか商売っ気がありませんね。

『ヨーロッパ中世の修道院文化』

一般 kilica 2006/4/1
ヨーロッパ中世の修道院文化
杉崎 泰一郎
日本放送出版協会 (2006/03)
NHK ラジオ第2放送で4月から始まるみたいですが,もちろん内容は一般向け。でもマイナな分野なのでそういった入門向けの情報からしてあまり無いので貴重です。

大聖堂

一般 kilica 2006/1/14
大聖堂(上) 大聖堂(中) 大聖堂(下) しばらく絶版になっていましたが,SB 文庫から年末に新版が出ました。SB 文庫って? と思いましたがソフトバンクのことらしい。ソフトバンクもたまにはいいことをします。 歴史小説の中では最も好きな作品です。前のはぼろぼろになってしまいましたし,また買ってしまいました。 そんなことより著者紹介のところに「2007年に『大聖堂』の続編にあたる World without End が刊行予定」とか書いてありますよ。ぜひ翻訳を出して欲しいなあ。

女教皇ヨハンナ

一般 kilica 2005/10/17
女教皇ヨハンナ(上)女教皇ヨハンナ(下) 9世紀を舞台に男装の女教皇ヨハンナの一生を描いた小説。1/4 くらいを読んだところでまだ先の展開は分かりませんが,今のところめっぽう面白い。どうも最近,小説を途中まで読んでやめてしまうことが多いので上しか買っていないのですが,すぐ下巻を買いに走ることになりそうです。 主人公のヨハンナも魅力的(萌え萌え美少女ではありませんが)ですが,それ以上に社会を描く描写に惹かれます。例えば,この頃サン=ドニの定期市が何十年か開かれない時期があったのですが,歴史書ではおそらく「○○○年,×年ぶりにサン=ドニの定期市が開かれ,商業活動の活発化の兆しが云々」のように書かれるだけですが,本書では 「サンドニで定期市が開かれる --- その知らせに誰もが耳を疑った。(中略)もっとも,年寄りの中には粉屋のブルヒャルトのように,年に二,三回,王国内で定期市が開かれていた時代を覚えている者もいる」 のようになります。そう,それは当時を生きる人にとっては大ニュースで,疑いつつも期待に胸を膨らませるような知らせだったのです。 つい読み流してしまいそうな出来事から,見事に社会を再現してくれていると言えます。 続きを読むのが楽しみですが,もったいなくてゆっくり読みたい気も。

100年前のロンドン

一般 kilica 2005/8/8
久々に「カシミール」でカレーを食べました。安くて(700円)美味しいのですが,カレーもナンもライスもサラダもスープも食べ放題なのでつい食べ過ぎてしまうのが難点。 カレーは三種類が日替わり(土日は二種類)で出てきますが,土地柄か,ポークとビーフは並んでいたことがありません。肉類は,チキンかマトン。 帰りにふらりと本屋に寄ったところ,『100年前のロンドン』という本が目に入って買ってしまいました。『エマ』の隣に並んでいたので,そういう事でしょう。まんまと引っかかった? 内容は,100年ほど前に出版されたロンドンの写真集を翻訳したもの。写真集というだけあってロンドンの建物や町並みの写真が豊富に載っており,左ページに説明,右ページに写真というレイアウト。160ページほどなので,70枚程度の写真が載っていることになるでしょうか。 写真を眺めていて思ったのは,交通量(当時は馬車ですが)のわりに道が広く作ってあるなあ,という事です。 クトゥルフの『バイ・ガスライト』を遊ぶには良い資料になるかと思います。 しかし,30年後には訴えられそうなタイトルをつけるなあ(とっくに絶版になっているでしょうけど)。

ヴィンランド・サガ

一般 kilica 2005/7/10
少年マガジンでわりと最近連載が始まったヴァイキング漫画で,RPGな人の間でも人気が出ています。とくにRQ好きな人が良く取り上げているようにみえます。 もうじき第1巻が発売になります。 丹念に出来事を描いており,何かというと気合と根性で敵を倒してしまう展開になりがちな他の少年漫画とは一線を画しています。 かく言う僕もお気に入りで,(今のところ)『ベルセルク』の「蝕」前の面白さに通じるものがあるのかな,と感じます。 ヴァイキングについての資料として,まりおんさんが『カラーイラスト 世界の生活史 ヴァイキング』を挙げられています。このシリーズは中世のあたりのを5冊ほど持っているのですが,ヴァイキングの巻は持っていません。持っている巻を見るに,当時の生活のイメージを得るのに最良の資料の一つと言えると思います。 というわけで復刊.com の投票はこちら。  → 『カラーイラスト 世界の生活史』復刊運動 同じような傾向の書籍で,Newtonムックの『バイキングとアングロサクソン』というのもあるんですが,こっちも現在絶版の模様。amazon.co.jp で中古が1冊出ているくらい。 やはり落ち着いた感じのイラストで当時の生活を描き出しており,それが何というか物語を感じさせる絵になっています。ああ,ルーンクエストやりたいなあ,と(笑)。

中世都市バチカン

一般 kilica 2005/4/7
ローマ法王逝去に伴い,Discovery Channel で特別番組を緊急放送するとのことです。 放送日:4月10日(日) 22:00?23:00 再放送:翌日4:00、14日(木) 24:00 楽しみ。 GWにちょうどイタリアに遊びに行く予定なのでこれで予習しよう(っていうかその頃ヴァチカンって入れるんだろうか)。

絵解き中世のヨーロッパ

一般 kilica 2004/11/21
【タイトル】 絵解き中世のヨーロッパ 【筆者/出版社】 フランソワ・イシェ著 蔵持不三也訳/原書房 【発行時期】 2004 【URL】 【評価】★★★ 【紹介内容】 中世ヨーロッパの本ですが、当時の絵画に描かれているものを解説するというちょっと変わった趣向の本。 カラーの絵図が200点とふんだんに載っていてそれだけでも価値があります。全部で250ページ弱なのでほとんどのページにカラーの絵が載っていることになります。 その分解説はあっさりしていますが、気軽に拾い読みすることができます。 図像史料の場合、文書史料では当たり前のものとして書き留められないようなものがたまたま描かれていたりすることがあります。また1枚のつまらない絵からこんなにたくさんのことが読み取れるのか、と感心するほどの情報を専門家は拾い出しますが、この本ではそういった深い読み方の解説はしていません。その代わりテーマは多岐にわたり事典的な役割も果たしてくれます。

歴史書を読む    『歴史十書』のテクスト科学

一般 kilica 2004/5/9
\'【タイトル】 歴史書を読む?『歴史十書』のテクスト科学 【筆者/出版社】 佐藤彰一/山川出版社 【発行時期】 2004 【URL】 【評価】★★★★ 【紹介内容】 歴史研究の中心となる資料は文書資料,すなわち文字によって書き表された資料ですが,本書は,現代の歴史研究者がその文字資料をどう読み,何を読み取るかに焦点を当てています。 一般の人々が歴史の本として読むのは,そうして研究者が資料を読みこみ,わかった結果です。一方,結論に至るまでの経過,思考の道筋に焦点を当てている本書は専門的と言えますが,専門家ではない我々にも「歴史資料を読む」という事がどういう事かをわかりやすく伝えることを目指しており,成功しているといえます。歴史研究に興味を持つ人にはぜひ読んでいただきたい一冊といえます。\'

歴史学ってなんだ?

一般 kilica 2004/2/14
\'【タイトル】 歴史学ってなんだ?PHP新書 【筆者/出版社】 小田中直樹/PHP新書 【発行時期】 2004 【URL】 【評価】★★★ 【紹介者】 氷川 霧霞 【紹介内容】 「歴史学はなんの役に立つか」という答えるのが難しい命題に対し,本書では一般の人にもわかりやすく思索を進め答えています。 僕にはたぶん明快に答えることはできないし,本書の中でもやはり苦労しながら,それでもあきらめずに丁寧に答えを探しています。 もう一つ,「歴史学と歴史小説はどう違うか?」という問いにも答えており,こちらもなかなか面白い。\'