チーム・バチスタの栄光 編集

タグ: 作品

登録日
2011/3/27 2:17
カテゴリ
一般
ISBN
4796661611
感想

『このミステリーがすごい!』大賞に選ばれ、書店でもよく見かけていたのでご存じの方も多いと思いますが、医療を舞台にしたミステリです。書店ですぐ見つかるだろうとタカをくくっていたのですが、宝島社文庫という、文庫本ではあまり馴染みのない所から出ていてなかなか見つからなかった。

バチスタというのは心臓外科手術の名前で、たいへん難度が高く、外科医としての腕の見せ所、なのでしょうか。本書でも桐生医師がバチスタ手術の第一人者(30例近く成功を続けるという驚異的成績)として登場しますし、漫画『医龍』でも前半はバチスタ手術を中心に話が回ります。こちらも傑作。

ミステリの見所の一つ、探偵役は厚生省の役人(らしからぬ役人)、白鳥圭輔。おそろしく傍若無人、エキセントリックな人物で、榎木津礼二郎みたいな印象。探偵としては、物証を積み重ねて真実に至るというより、古畑任三郎のように犯人を追い込んでいくタイプでしょうか。それを「アクティブフェーズの調査」と呼んで定式化しているところが面白い。なので、トリックを期待して読むのはやめたほうがいいと思います。
評価
3