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2001/04/19


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氷川TRPG研究室

5. 魔術!魔術!魔術!(1)

初         出:2000/06/20
最新更新日:2000/06/20


 「Ars Magica の特徴は?」と聞かれれば,ほとんどの人は「魔術」と答えるでしょう。そもそも,題名の Ars Magica からして,「魔法の技」を意味するラテン語なのです。また,主役となるマギも,魔術師です。そこで今回は,この魔術について解説しましょう。

魔術の種類

 まず始めに,Ars Magica に登場する魔術について概観を説明しましょう。 Ars Magica では,先に述べたように魔術のルールが極めて充実しています。これは,単に呪文の数が多いといったレベルではありません。魔術の体系も,マギの使うヘルメス魔術のほか,呪術,カバラ,召喚,ルーンなど多岐に渡りますし,魔術と魔術師にまつわるさまざまな面,使い魔,呪文書,呪付,研究,弟子などのルールが整備されています。

ヘルメス魔術

 Ars Magica で中心となる魔術は,「ヘルメスの掟団」の教える魔術です。これこそが,Ars Magica の魔術の中心です。
  「ヘルメス魔法」は,「即興呪文」「定式呪文」「儀式呪文」の3種類に分類されます。いずれも,「火」「動物」「精神」など,対象を表す「様式」と,「創造」「情報」「変化」「消去」「操作」からなる「技法」とを組み合わせて,魔法の効果を決定します。たとえば,「火」と「創造」を組み合わせることで,炎を作り出します。「精神」を「操作」することで,人の心を操ることができます。

 

様式(Form)     技法(Technique)
獣(Animal) 火(Ignem)   我,創造せん(Creo)
水(Aquam) 像(Imaginem)   我,知覚せん(Intellego)
風(Auram) 精神(Mentem)   我,変成せん(Muto)
人体(Corpus) 地(Terram)   我,破壊せん(Perdo)
植物(Herbam) 魔力(Vim)   我,操らん(Rego)

   「即興呪文」とは,「様式」と「技法」を組み合わせてその場で効果を決定する魔法です。非常に柔軟性に富んだ効果を生み出すことができます。想像力を働かせて,必要な魔法を必要なときに使うこともできますし,「油に火をともす」とか「風を起こす」「毛皮の色を変える」といった,些細な効果の魔法なら,疲労なしで使うことができます。
 即興呪文を作り出すにあたって,プレイヤやストーリィガイド(マスタ)は,既に効果が決まっている「定式呪文」を参考にすることができますし,それぞれの組み合わせについて,どのレベルではどういった効果を生み出すことができるか,指針が書かれています。

  「定式呪文」はあらかじめ作り習得している魔法で,発生する効果は決まっていますが,「即興呪文」に比べて強い効果を発揮しますし,疲労も少なくて済みます。実のところ,「定式呪文」は使い放題に近いものがあり,それゆえArs Magica のマギは非常に強力な存在になっています。

  「儀式呪文」は,より強力な力を持った魔法や,魔力を秘めた品を作り出すために使われます。儀式呪文を使うには,時間もかかりますし,ロウ=ウィースと呼ばれる魔力の塊が必要となります。

その他の魔術

 「伝承ヨーロッパ」 の世界には,ヘルメスの掟団の魔術以外にも,幾系統もの魔術が存在します。こうした魔術については,サプリメントの中で紹介されています。「掟団」の魔術師は,一般にこうした他の魔術師に対して優位に立っていますが,それは「掟団」特有の "Parma Magica" (魔術の盾)を作り出すことができるからです。
 現在(2000/06),第4版のサプリメントでは次のような魔術が紹介されています。

  • 魔女の魔法(Hedge Magic)
  • 自然魔術(Hedge Magic)
  • 召喚術(Hedge Magic)
  • 行者の術(Hedge Magic)
  • カバラ(Kabbalah)
  • シャーマニズム(The Dragon and the Bear)
  • ルーン魔法(Ultima Thule)

 このように,中世ヨーロッパに登場する魔術体系は,ほぼすべて,Ars Magica に登場します。