2005/5/17 6:58
Re: 「キャラクタープレイング論」その2
Scoops RPG の「読者の声」に仮想光線さんのRe: 「キャラクタープレイング論」その2が掲載されました。その1はちょっと前に取り上げました。今回もなかなか面白いので取り上げてみます。
Scoops RPG にもトラックバックできるといいんですが。
最初に,全体的な感想としては着眼点は前回同様,なかなか興味深いものがあり,考えさせます。
しかしこれまた前回同様,敷衍する例示が不適切で論理展開も詰め切れていない部分が見受けられ,「「より面白い物語創造をする」のが RPG の目標である」という根幹の主張についてはやや説得力に欠けます。がここで事細かにあげつらっても益はありませんので,仮想光線さんの指摘を発展的に捉えてみたいと思います。
さて,今回はまず最初に,RPG を遊ぶ「目標」は「より面白い物語創造をする」であるとしています。この「物語創造」という言葉が適切かというといささか怪しいと思いますが,ともあれこの一文はもちろん非常に重要です。”RPGの本質はゲームでありすなわち意思決定である”というのが馬場講座を支える土台であり,それを首尾一貫して講座の中で展開していったところに馬場講座の力強さがあると僕は見ているのですが,その土台の代わりを提示しているわけです。
上手くやれば RPG の別の面が見えてくるかもしれません。
で,仮想光線さんの主張をばっちり理解できているかと言うとイマイチな部分もあるのですが,もともとの文章が馬場講座を意識したものになっていますので,それぞれが RPG をどう捉えているかを対比してみましょう。
すぐ分かるかと思いますが,左側の青い方が馬場さんのRPGの捉え方を図にしたもので,右側が仮想光線さんの方を図にしたものです(正確には馬場さんがRPGをこう捉えていると僕が理解している,ですが)。
簡単に説明しますと,馬場講座での RPG の捉え方は次の通りです。
いっぽう,仮想光線さんの主張をこれに対比させると次のようになります。
さて,僕は仮想光線さんの図にあるように RPG はデザインされていないと思っています。少なくとも,今の RPG がそうだ,というのであれば,無駄な部分が多すぎるし必要な部分は足りないと思っています。しかし,徹頭徹尾,仮想光線さんの提示したコンセプトでデザインされた RPG というのもなんだか非常に面白そうで見てみたいという気はします。
Scoops RPG にもトラックバックできるといいんですが。
Scoops RPG 「読者の声」の原文へのリンク
「キャラクタープレイング論」その1
「キャラクタープレイング論」その2
前回の感想
Re:「キャラクタープレイング論」その1
Re:「キャラクタープレイング論」その1(続き)
最初に,全体的な感想としては着眼点は前回同様,なかなか興味深いものがあり,考えさせます。
しかしこれまた前回同様,敷衍する例示が不適切で論理展開も詰め切れていない部分が見受けられ,「「より面白い物語創造をする」のが RPG の目標である」という根幹の主張についてはやや説得力に欠けます。がここで事細かにあげつらっても益はありませんので,仮想光線さんの指摘を発展的に捉えてみたいと思います。
さて,今回はまず最初に,RPG を遊ぶ「目標」は「より面白い物語創造をする」であるとしています。この「物語創造」という言葉が適切かというといささか怪しいと思いますが,ともあれこの一文はもちろん非常に重要です。”RPGの本質はゲームでありすなわち意思決定である”というのが馬場講座を支える土台であり,それを首尾一貫して講座の中で展開していったところに馬場講座の力強さがあると僕は見ているのですが,その土台の代わりを提示しているわけです。
上手くやれば RPG の別の面が見えてくるかもしれません。
で,仮想光線さんの主張をばっちり理解できているかと言うとイマイチな部分もあるのですが,もともとの文章が馬場講座を意識したものになっていますので,それぞれが RPG をどう捉えているかを対比してみましょう。
すぐ分かるかと思いますが,左側の青い方が馬場さんのRPGの捉え方を図にしたもので,右側が仮想光線さんの方を図にしたものです(正確には馬場さんがRPGをこう捉えていると僕が理解している,ですが)。
簡単に説明しますと,馬場講座での RPG の捉え方は次の通りです。
RPG はゲームである。ゲームである以上,意志決定が最も重要である。その意志決定は,
- 葛藤
- アカウンタビリティ
- 結果に対する責任
を要素として備える。
そして RPG は,この最も大切なゲーム性を支援する方向でデザインされる(べきである)。すなわち,
- システム
- 背景設定
- シナリオ
のいずれもが,よりよい意志決定を支援するようデザインされているのである。
いっぽう,仮想光線さんの主張をこれに対比させると次のようになります。
RPGは物語創造の遊びであり,物語創造にとってはキャラクタが魅力的であるというのが最も重要である。今のところ,キャラクタが魅力的であるための要素や条件についてはまとまった提示がない。
そして RPG は,この最も大切な物語創造を支援する方向でデザインされる(べきである)。すなわち,
- システム
- 背景設定
- シナリオ
のいずれもが,より魅力的な物語創造を支援するようデザインされているのである。
さて,僕は仮想光線さんの図にあるように RPG はデザインされていないと思っています。少なくとも,今の RPG がそうだ,というのであれば,無駄な部分が多すぎるし必要な部分は足りないと思っています。しかし,徹頭徹尾,仮想光線さんの提示したコンセプトでデザインされた RPG というのもなんだか非常に面白そうで見てみたいという気はします。