2011/7/30 2:29

TRPG同人誌マーケティング(2)SEO

タグ: 同人 ウェブ

※labo の方に「TRPG同人誌マーケティング」として読みやすくまとめています


コミックマーケット80で出す『TRPGシナリオ作成の道具箱』を題材にした同人誌マーケティングのお話、その二です。その一はこちら

まずはネットPRの基本、SEOを頑張ってみます。

SEOとは、Search Engine Optimization の略で、「検索エンジン最適化」などと訳されます。要するに、適切なキーワードでググったときに上位に表示されるよう頑張る活動です。

SEO でまずやるのは、検索キーワードの狙いを定めることです。どんな単語で検索したときに上位表示されることを狙うか、ってことですね。

今回は『TRPGシナリオ制作の道具箱』ってことで、TRPGのシナリオの作り方を説明した本の宣伝です。単純に考えれば、まずは「TRPG」「シナリオ」「制作」「作り方」あたりがキーワードの候補になります。TRPGに興味のない人にすすめる内容ではないですからね。逆にこれらのキーワードで検索してくれる人であれば、非常に食いつきがいいことが予想できます。

ところで、今回の「本」はちょっと特殊で、同人誌です。それも、コミックマーケット80で売ろうとしている本です。ですので、「コミケ」「同人誌」などもキーワード候補となります。「TRPGの同人誌何が出るかな〜」と思ってググった人に表示出来れば、これまた買ってくれる可能性がとても高いといえます。

こんな感じで、どんな人が、どんな目的で、検索しそうか、ストーリーを想像してキーワードを決めます。一つ目の候補の場合は、「TRPGのシナリオの作り方を知りたいと思っている人が検索して見つける。”お、今度コミケでこの本が出るんだ、よし買いに行こう”と思う」。二つ目の候補の場合は、「今度コミケでTRPG関係の同人誌は何が出るのかな。”お、シナリオの作り方の解説本が出るんだ。珍しいな。500円だし、買っておくか”」という人を狙っています。

本格的にやろうとすると、ターゲット属性(この場合は全予算・TRPGの優先度・プレイヤかマスタか・TRPGの経験など。一般的には年齢・性別・地域・収入・家族構成など)ごとにどんなストーリーが考えられるか分析して、その中から有望そうなターゲットに絞ってキーワードを決めるのですが、そこまでやっている時間があるかどうか分からないので今回はそこまではやりません。

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このようにしてキーワードの候補が出たら、それを精査します。例えば「シナリオ制作」がいいのか「シナリオ 作り方」が良いのか。「同人」が良いのか「同人誌」が良いのか、といったことです。全角半角、大文字小文字や多少の表記のズレは Google が吸収してくれますが、似たような言葉でも検索ボリューム(どれだけの人がその言葉で検索しているか)は結構違ったりします。一般には、検索ボリュームの多いほうがそれだけ多くの人の目に触れるので良いキーワードと言えます。
この検索ボリュームは、Google AdWords のキーワードツールを使って簡単に調べることができます(AdWordsについては後のエントリで紹介予定)。たとえば、「trpg」というキーワードは現在月間49,500回検索されていることが分かります。「シナリオ制作」だと140件、「シナリオ 作り方」だと720件。「シナリオ 作り方」の方が5倍くらい検索数が多いことが分かります。ただ、これに「trpg」を入れると……。
関係ありませんがちょっと面白かったのは、「TRPG+システム名」で検索数が多いのはクトゥルフと女神転生でした。ソード・ワールドやダブルクロス、D&Dではないのです。なぜでしょう? それはたぶん、「trpg」が入っているからです。クトゥルフも女神転生も、TRPG 以外の小説やゲームが充実しているタイトルです。なので「クトゥルフ」で検索をかけるとTRPGと関係の無いページが沢山出てしまうのでしょう。それで「trpg」という限定をつけて検索する人が多いのでしょう。

こうしてキーワードを決めたら、そのキーワードでググッたときに上位(できれば1ページ目)に表示されるよう頑張ります。一般にSEOというとこちらをイメージする方が多いかもしれません。頑張り方には大きく二つあって、

  • コンテンツを充実させ、キーワードをページの中に埋め込む
  • 宣伝ページに対する(外部)リンクをたくさん貼る

です。ただ、どちらもやり過ぎちゃうとグーグル先生にスパムと思われてしまいますので、程々に。

さて、我が『TRPGシナリオ作成の道具箱』ですが、「TRPG シナリオ 作り方」で現在10位に位置しています。最初ページを掲載した7/24時点では50位くらい(SEO的にはかなり話にならない順位)だったので、かなりの成果です。ほか、「TRPG シナリオ制作」で6位、「TRPG シナリオ作成」で14位です。どマイナーなキーワードなので結構簡単にあがります。イージーモードです。

何をやったかというと、表紙にあたるページ「シナリオ」「作り方」などのキーワードを含んだ文章を載せました。SEOの基本は有益なコンテンツを作ることです。今回は、同人誌の内容をまるっと載っけていますので、その効果もあったかもしれません。そこまでしないにしても、同人誌の特徴やウリ、目次を載せれば、自然とキーワードが含まれるはずです。

SEOのもうひとつの柱、リンクに関しては、TRPG Search, Twitter, TRPG SNS, Facebook, TINAMI, Twitcmap などで宣伝がてらリンクを張っています。Google 先生は、基本的に「外部(別ドメイン)からリンクが沢山付いているサイトは注目度が高い重要なサイト」と考え検索結果の表示を上位にします。本当は、ブログやホームページを書いている人に見てもらって「これはいい」とリンクを張ってもらうのが正統的なやり方ですが、ウザがられない程度に外部のポータルサイトに宣伝したいサイトを登録してやります。なんとも卵と鶏みたいですが、そうしないと、そもそもブログやホームページを書いている人の目に止まりませんからね。

さて、検索順位には外部リンクが重要と書きましたが、内部リンクも意味が無いわけではありません。内部リンクは、検索エンジンに「なんについてのページか」を伝えることができます。どういう事かというと、「TRPGシナリオ作成の道具箱」にリンクを貼ると、google先生はリンク先のページのことを「trpgとシナリオと作成と道具箱に関するページなんだな」と理解します。「コミケ80のTRPG同人誌」にリンクを貼れば、「コミケ80とTRPGと同人誌に関するページなんだな」と理解します。そう、このブログも、SEOの一環だったりするのですよ。

キーワードの一つ目のグループはこのように順調ですが、もう一方の「TRPG 同人誌」関連は今ひとつふるいません。こちらのキーワードは途中で気づいて、7/27あたりから対策を始めたので、効果が出るのにもう少しかかるのかもしれません。「TRPG 同人」で47位、「TRPG 同人誌」で59位、「TRPG コミケ」で45位。「TRPG コミケ80」は健闘していて5位!です。「TRPG 同人誌」で上に行きたいところです。

さらっと書いていますが、ここも重要です。検索結果の順位を測って記録することです。やり方は、キーワードでググッてみて何番目に表示されるかを記録するだけです。なお、最近グーグル先生はパーソナル検索という余計な機能を入れてきて、グーグルアカウントでログインしていると検索結果が変わってしまうことがあります。普段使わないブラウザで検索するなどしてください。

とりとめもなく書き連ねましたが、簡単にまとめますと、

  • 検索する人のことを想像してストーリー化し、キーワードを絞り込もう
  • AdWords のキーワードツールで、検索ボリュームを確認しキーワードを決定しよう
  • 同人誌紹介ページのコンテンツを充実させ、キーワードを埋め込もう
  • ポータルサイトに登録し、外部リンクを貼って検索順位をあげよう
  • ブログなどでも同人誌を紹介し、リンクにキーワードを埋め込もう
  • キーワードごとに検索順位を測定し、順位が上がらなければキーワードの数や位置を変えたり、外部リンクを強化してみよう

といったところです。

 

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