2014/1/22 14:11
『ゲームメカニクス』(3)複雑系と創発型の構造
ソフトバンククリエイティブ
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『ゲームメカニクス -- 面白くするためのゲームデザイン』は、2013年4月に和訳された書籍で、ゲーム全般の仕組みについて分析し、面白いゲームをデザインするための理論を提供しています。
友人がバンダイナムコスタジオにいて本書の監修に関わっていたので購入し、そのためコンピュータゲーム関連のデザインの本かと思っていたのですが、実はそんなことはなくボードゲームやカードゲームなど、ゲーム全般のデザインに関する本でした。
非常に面白そうなトピックが並んでいますので、少しずつ読み進め、内容をメモしていこうかと思います。僕は主にTRPGを遊びデザインするので、TRPG に当てはめた場合のコメントも付記していきます。
今回は第3章。主に複雑系の説明。この章を理解するには複雑系に関する概説書を1,2冊読んだほうがいいかも。
複雑系と創発型の構造
ゲームの創発型特性としてのゲームプレイ
とりあえずおさらい的な内容。進行型ゲームとはちがい、創発型ゲームはルールを増やせば面白くなるわけではない。むしろ減らすほうが面白くなることもある、というのは重要な指摘。
カオスの表れとして、周期系と創発系の二つが紹介されている。
複雑系の構造的な特徴
セルオートマトンの紹介。十分なパーツ、十分な活動、コネクションがあれば単純なルールで複雑な振る舞いが生じることを示している。
ついで、フィードバックループの紹介。フィードバックには生態系のようにバランスを保つネガティブフィードバック、生じた効果を増幅する方向に働くポジティブフィードバックがあり、どちらもゲームで活用されることがある。
ライフゲーム、鳥の群れの動き、それからパックマンの4種類の敵の動きが紹介されている。パックマンってもうあまり覚えてないんだけど、これが面白い。4種類の敵は、それぞれ違ったアルゴリズムで動くんだけど、プレイヤから見ると裏で協力してプレイヤを追い詰めるようプログラムされているんではないかと錯覚するような動きになるんだそうな。
TRPGの敵って、マスターの知性(あるいは意地悪さ)によってかなり強さが変わるんだけど、こうした創発的なプログラムを組めんものかな、と思う。