2017/3/12 1:44
"Closed Rooms" クトゥルフ神話TRPGアイディアノート
ハカセさんの力作。ハカセさんは『TRPGシナリオ作成大全 Vol.6』にも「技能で繋げる5ステップシナリオ作成法」という記事を投稿いただき、読者の方からも分かりやすいという評判を得ています。
特にすばらッと感じたのは、技能の種類によってシナリオを作成する早瀬様の方法ですな。この方法だと探索者毎に見せ場を作り、各々の活躍の機会を簡単に作ることができる…!あと、探索者の耐久力&SAN値をリソース扱いにして、重要な情報へアクセスするためのコストとして見る視点は目から鱗でした
— 夢人 (@negi_ten_tarou) 2016年1月5日
TRPGシナリオ作成大全6、今更ながらざっと流し読み。なるほど…自分にもシナリオが作れそうという気になってくる…特に『技能で繋げる5ステップシナリオ作成法』っていう記事はかなり参考になった。
— orepon@クトゥルフ垢 (@hikari_cmythos) 2016年1月22日
本書 "Closed Rooms" はハカセさんの単著で、クトゥルフ神話TRPGのシナリオを作るためのパーツ集(その数36!)と、それを使ったシナリオ6本、同じくそれを使ったランダムシナリオ作成まで付いています。120ページ 1,500円、BOOTH から PDF 形式で購入可能です。
まだパーツの一つ一つについて読み込んだわけではありませんが、よくこれだけ飽きずに作り込んだなと感嘆してしまうほどパーツ一つ一つの質が高く、シナリオ作成の初心者からベテランまで幅広く使える内容になっていると思います。
シナリオ作成の初心者にとっては、特に本書は助けになると思います。本書に用意されているパーツを選ぶだけで、シナリオの体をなしてしまうからです。拙著『TRPGシナリオ作成の道具箱』と同様のスタンスだと思います。さらに、本書では用意されているパーツを使って作ったサンプルシナリオが6本もついているため、「パーツを組み合わせる」ところから「シナリオに仕立て上げる」ところへのギャップもある程度埋めることができるでしょう。ちなみにこのシナリオも、単体で発表してもおかしくないくらいのしっかりしたものです。
ベテランにとっては、まず第一にはシナリオ作成作業の手間を省くツールとして大いに利用できます。「中盤作るのだるいな―」ってときに、本書のパーツを拾ってきて肉付けすればシナリオになります。便利ですね。また、各パーツはしっかりと作り込まれており、読めば「ああ、このパーツ、こういった使い方もあったか」と新しい側面や使い方に気づくことも多いのではないかと思います。
PDF 1,500円というのは、同人誌の相場から行くとやや高めと感じるかもしれませんが、本書の質と量を考えれば安いと言ってもいいくらいかもしれません。