2005/6/20 4:14

RPGにおける真剣勝負

タグ: ゲーム TRPG 考察

白河堂さんの『神饌喰い。』の「Scoops RPG掲示板にて」のコメントより。


RPGの戦闘が面白いこと、建前はどうあれ現実問題としてRPGが戦闘メインのゲームとして遊ばれることが多いのは否定できない事実だと思うのですが、「バトルゲーム」と言い切ってしまうには、カードゲームとか対戦格闘ゲームに比べると競技性が低いことは否めないと思うのです。マスターの裁量に任されている部分が大きく、レギュレーションが不明確で、突き詰めていくと結局、RPGの戦闘って「片八百長」だよね?、というところに行ってしまう。

納得できる部分もあり,なかなか興味深い指摘ですが,そもそも GM vs パーティ を目指しているわけではないので,「片八百長」というのはちょっと変かな。

例えば跳び箱は跳ぶ人に応じて段を変えることができるようになっていますが,5段をかろうじて跳べるかどうかって人に「この跳び箱は10段まで増やせる。5段を跳んで喜んでいるのは八百長だ」というのは言葉として適切ではない,というのと同じ意味で適切ではないと思います。
その人にとっては5段であっても十分に挑戦しがいのあることであり,楽しめるからです(僕は跳び箱大嫌いでしたが(^ ^;)。
これが「二人でどっちが高い段を飛べるか」という競争だと話は違ってきますが。また,「5段はやっぱり無理そうだから4段に下げてとにかく跳べるようにしよう」とするとまた話は違ってくると思います。
もうちょっと例を挙げると,パズルは一般に解けるように作ってありますが,だからといってそれを八百長と呼ぶのは不適切だと思います。

でもって RPG のゲーム性ですが,M:tG をはじめとするカードゲームやボードゲームが持っている競技性に起因するのではなく,「いかにこのプロジェクトを成し遂げるか」とか「如何にロシアとの二カ国間協議で日本の主張を通すか」といったビジネスや政治の世界の課題解決に類似性があるとみています。
競争相手をおいて競技にするというのは真剣勝負をさせるための手っ取り早く確実性の高い手段ですが,競争相手がいないからといって真剣勝負にならないわけではありません

ただおぞんさんの指摘も現実には当たっている部分があり,マスタの中にはあからさまに手加減していると分かるような運用をする方もいて,そういったプレイを多く経験していると「RPG は八百長」とか「出来レース」といった評価を下すようになっても仕方ないことです。
困ったことに,マスタが手を抜く運用に走るのには無理ない部分もあって,「”失敗”できるシナリオ」で指摘している問題が絡んでいます。
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