2006/1/8 11:55

about "「楽しみ方」のパラダイムシフト"

タグ: TRPG サイト 考察

「楽しみ方」のパラダイムシフト(流星亭日誌)より。

「ひぐらし」はこれからなんで少しどきどきしながら読みました。
ここのブログには他にも興味深い考察がたくさんあります。


予め決められた配役やストーリーラインを基に「話を膨らませていく」という物語創造的なゲーム性が理解されずに「やらせ」呼ばわりされたり、PCの死亡率が低い演出重視の戦闘が「ヌルい八百長」扱いされたり。
(中略)
ノベルゲームもTRPGもまだまだ「型にハマった思考」に囚われている人が多く、この先どんな風に発展していくのかは断言できませんが……発信者の惜しまぬ努力によって”新しい”スタイルが少しずつ多くの人に理解され、受け入れられていくことを願っています。

確かに。僕は「やらせ」との区別があまりついていません。「ヌルい」んじゃないかとは感じることもありますが,「シビアなバランスで楽しむ」よりも演出などを重視しているのであればそれは「八百長」ではなく当然の進化なんだろうと思います。

しかし個人的にはそういった楽しみがいまひとつ理解できていなくて放ってあるのも事実なので,「型にハマった思考」なのかも知れんと思いました。で,久しぶりにゲーマーズフィールドでも買って読んでみたんですが,・・・うむむ,やっぱり分からん。謎かけ師に”啓発”でもされないとだめでしょうか。

とりあえず僕にとっての「RPG における物語」について,ちょっと考察してみました。

例えば,僕は「ダンジョンに言ってオークを倒して宝を手に入れて帰ってきた」というシナリオでも,満足できます。物語創造性のカケラもありませんね。

そしてここに,「実はこのダンジョンは・・・」とかちょっどドラマな要素が加わると「おお?」と惹きつけられることもあります。さらに「一見ただのダンジョンだったが後で思い返すと・・・」といった趣向があると,さらにぐぐっと惹かれていきます。
同じモンスタと宝を配置したダンジョンでも,背後に物語性を感じ取ると確かにグッと面白く感じられ,そういった方向を追求するというのも理解できます。

一方で,例に出した素っ気無いけど遊んで満足できるダンジョンに「ふはははは」とかどっかのアニメに出てきそうなステレオタイプな悪役が登場すると,不満度が急上昇します(笑)。そこに「貴様,よくもー」とか言い出す PC が加わると「もう好きにやってくれ」って感じになってきます。
一言で言うと,台無し

つまり,例に出した素っ気無いダンジョンを「物語性=0」と考えると,付け加えることでプレイヤを強烈に盛り下げてしまうようなマイナスの物語性だとか演出も存在するわけです。
困ったことに読んだ記事の多くは僕にとってマイナスの物語性・演出を持ったものでした。やっぱりアニメかライトノベルの表層をなぞって有名なせりふを集めてきただけに見えてしまいます。
しかし,こういったのが大好きという人もたくさんいて,僕にとってはマイナスでも彼らにとってはプラスの物語性・演出として機能するわけです。

以上の直観的でザルな考察からわかったのは,僕は FEAR 的な「物語・演出」の好みとは決定的に合わないようなので,FEAR 系のものを読んでいては”「楽しみ方」のパラダイムシフト”から遠ざかる一方だろう,ということです。

逆に言えば,FEAR系とは別のところからアプローチすることで僕にも”「楽しみ方」のパラダイムシフト”が起きるかもしれません(まあ起きなくても困りませんが)。
やはり『深淵』あたりから攻めるのが良いかな。
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