2006/9/10 2:20

シティアドベンチャの面白さ

タグ: TRPG 考察

昨日はD&D3.5のキャンペーン第三回でした。

プレイヤサイドから見るとどうもうまく回っていなくて不満の出るシナリオだったのですが,それについてプレイ後の食事の時に出た話も交えて,「シティアドベンチャ,特に情報収集は楽しいか?」について書いてみます。あまり時間がないのでまとまりのない文章になりそうですが。

今回のセッションは,シティアドベンチャでよく見られると思われる一類型で,抽象化すると以下のような感じ。


  1. 依頼に基づいて情報を集める

  2. 集まった情報に基づいて推理し,さらに深掘りして情報を集める,または裏付けとなる情報を集める

  3. 集まった情報・証拠を基に解決に向けて行動する



今回は 1. の段階で躓いていたので論外なのですが,仮に1?3の段階がスムースに流れていったとします。

このシナリオはどこが面白いのでしょうか(表現が下手で申し訳ないですが,否定的な意味はありません)。

僕の体験および他人の感想などから,僕自身は以下のような点が「楽しい」部分なんだろう考えています。


  1. 聞き込みをしたり文書を調べることで情報を集めることそのものが楽しい

  2. 情報を集める過程でNPCやPCと掛け合いをするキャラクタプレイが楽しい

  3. 情報が集まるにつれ,最初は無関係と思われていたことが繋がったり,バラバラだった情報が形をなしてくる,その様相の変化が楽しい



1.は,このエントリィの主題になるのですが,僕は単なる作業でしかない,と思っています。
町の人に聞き込みをしたり失踪者の日記を調べるのはリプレイやコンピュータRPGでよく出てくるシナリオの要素であり,お手本は豊富にありますし,自分がシナリオを作る上でも比較的簡単にヴォリュームを増やせるので多用されているんだと思いますが,いろいろ検討した上で,シティアドベンチャは情報収集そのもの,つまりどこで,だれから,どんな順番で,どんな情報を聞き出すか,そのこと自体が面白い,と結論を出したプレイヤってどれくらいいるんでしょうか。

TRPGをはじめて,特にシティアドベンチャをやるようになってしばらくの間は,たしかにどこで情報を集めるか,どういう手段で情報を集めるか,といった点で手本も前例もない中,酒場,図書館,盗賊ギルド,交易商人など,「どこが適切そうか」に想像力を巡らせ考えていたので楽しかったのですが,ちょっと経験を積むと考えるまでもなく過去の経験から引っ張り出せるようになるので,後は単なる作業に堕してしまいます

TRPGのシナリオの構成上,情報収集の過程が入り込むのは避けられないと思いますし,それは構わないのですが,「シティアドベンチャです。頑張って情報収集してください。楽しいでしょう」というシナリオを用意されると,僕にとってはつらい一日になりそうです。

2. は今回対象外とさせてください。

3. は,簡単に。
この部分は面白いと思います。でも,同時に非常に難易度が高いとも思います。
経験の浅いプレイヤ相手であれば,驚きと感動を与えることも比較的容易ですが,すでに様々な驚きと感動を食らっているベテランプレイヤ相手,もしくはミステリィの愛読者相手になると,ちょっとやそっとひねった程度では「ああ,この結末はあのシナリオのバリエーションのひとつだな」と驚いてもくれませんし感動もしてくれません(表面的にはほめてくれるかも知れませんが……)。

それでも,うまくやれば楽しませることができると思いますが,最初に書いたようにその難易度はかなり高い物となるでしょう。
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