2007/1/13 8:08

about "TRPGは本当に復活したのか?"

タグ: TRPG 考察

TRPGは本当に復活したのか? ?コミケにおけるTRPGサークルの分析レポート?
Decrease of TRPG Circles Attending Comiket
Re: Decrease of TRPG Circles Attending Comiket
プレイ人口の減少

一番上はコミケにおける TRPG サークルの申込数,参加数の変動などの定量的なデータを使って TRPG 界の盛衰を論じたレポート。その下は,それに対する感想へのリンクです。

読んですぐに何か書こうかと思いましたが,疲れていて過度に批判的になりそうだったのと,ディスプレイを見つめているのが辛かったので後回しに。
宮本さんが書かれているとおりの労作で,こういった定量的なデータを元にした分析はあまり存在していないので貴重です。

一方で,そのデータをどう解釈するかについては僕は違った意見を持っています。

僕も,ここ10年以上,夏冬のコミケには遅刻もせずに参加しており,TRPG 関係の日には入場後,一番に買いに行っています。
僕が見る対象は海外のRPGが中心で,元のレポートで挙げられているようなソードワールド,アリアンロッド,NOVAなどの国産RPGの同人誌は素通りなのでそのあたりにも差があるとは思いますが。

コミケで TRPG 関係の同人誌を出す動機としては,

  1. オフィシャルの展開で不足している分を同人誌で補完するため

  2. 「自分の思いついたアイディアを形にして人に見せたい」といった創作的な動機のため


ってあたりが思い当たるんですが,海外 RPG 関係の同人誌(僕がよく買う)では(1)のケースが多く,未訳 RPG,未訳サプリメントの翻訳本などがこの典型。また国産ものでも,公式ではリプレイしか出ないとか,○○方面のサポートが弱いとなると,これを補うような同人誌が出ることがあります。
このケースでは,当然ながら公式の展開が充実してくると消えていきます。僕が見たケースは,Vampire, Werewolf などの White Wolf 社の一連の作品で,日本語版が発売される前はこれらを扱うサークルをよく見かけたのですが,日本語版発売以降はばったり見なくなりました。
つまり,商業的に「冬の時代」にこそ,同人活動が活発になる傾向もある,と僕は考えています。

(2)はオリジナル RPG やリプレイなんかがその典型ですが,リプレイの同人誌はほぼスルーなので実感としてさっぱり分かりません(オリジナル RPG は昔っからあまり変わっていないような気がする)。
レポートの筆者が挙げているソードワールド,アリアンロッド,NOVAあたりは特にリプレイが多い RPG という漠然とした印象があるんですが,もしそうだとして,それらが減っているとすると,問題は「RPG が衰退した」直接の結果として「コミケ参加サークルが減った」のではなく,「リプレイを残すという文化が廃れてきた」その結果として「コミケ参加サークルが減った」という現象が見られるのではないでしょうか。
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