2007/5/1 1:57
『赤い手は滅びのしるし』
D&D3.5 用の5-10レベル向け(キャンペーン)シナリオ。とうとうシナリオまで全ページフルカラーです。シナリオフルカラーって思ったより良くって,ワールドガイドの次くらいに効果があるんじゃないでしょうか。カラーのイラストを見ていると遊んでみたくなってきます。
さて,肝心の中身ですが,これは良いです。
どこが良いかって自分でもよく分かっていないのですが,
といったあたりで,総じて,シナリオ全体の流れの中に,一つ一つのエンカウンタが位置づけられきちんとデザインされていると感じます(気に入らないシナリオは「こんなの入れると面白くない?」と制作者の思いつきでなんとなく入っているエンカウンタやイベントが多い)。
表紙のタイトル『赤い手は滅びのしるし』の『手』の文字のところに敵のシンボルマークの赤い手が重ねてあるんですが,妙にマッチしています。漢字ならではでしょう。
さて,肝心の中身ですが,これは良いです。
どこが良いかって自分でもよく分かっていないのですが,
- まず,シナリオ全体の見通しが良い。本書の頭に,シナリオの章ごとの大まかな概略があり,タイムラインがあり,登場する各場所の紹介があり,登場人物の一覧がある。このおかげで,シナリオの全体像がすんなり頭に入り,大いにシナリオ本編を読む助けになっている。
- ゲーム性が高い。単に敵を倒してめでたし,というわけでなく,いくつかの小さなミッションをどれだけこなしたかによって成功の度合いが変わってくるようになっている。
- 個々のミッション成功とシナリオ全体の成功との結びつきが密。個々のミッションが,敵を殲滅して戦力をそいだ,というだけのものに止まらず,その結果敵軍団を数日に渡って足止めしたり,中立勢力を味方に付けたり,敵勢力の一部を離反させたりと,PCが倒した敵の数以上の効果をシナリオに及ぼせるような作りになっている。
- 標準ではパーティは雇われの立場で,ともすれば「命令されたとおりに動きます」といった感じの受け身の立場になりがちだが,雇い主達はお互い意見が異なり,それぞれの立場から怪しげな主張をするので言いなりになっているとパーティは成果の乏しい命令を受けかねない。そのため自分たちで状況を分析し主体性を持って主張を通す必要がある(場面がある)。
といったあたりで,総じて,シナリオ全体の流れの中に,一つ一つのエンカウンタが位置づけられきちんとデザインされていると感じます(気に入らないシナリオは「こんなの入れると面白くない?」と制作者の思いつきでなんとなく入っているエンカウンタやイベントが多い)。
表紙のタイトル『赤い手は滅びのしるし』の『手』の文字のところに敵のシンボルマークの赤い手が重ねてあるんですが,妙にマッチしています。漢字ならではでしょう。
赤い手は滅びのしるし
posted with amazlet on 07.05.01
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