2007/9/26 15:12

出来すぎたRPG

タグ: D&D TRPG 考察

最近,『ウォーハンマー』のルールブックを読んでいるんですが,これが面白くて,わくわくしてきます。
こうした感覚は,D&D(ここでは 3.5 版)関係のルールブックを読んでいるときにはあまり沸いてきません。なんでかな〜とぼんやり考えていたのですが,たぶん D&D はあまりにフォーマットがしっかりしすぎているんだろうなあと思い当たりました。

ウォーハンマーの場合は,僕の知識が浅いこともあってまだ「何があってもおかしくない」という感覚があります。例えば,入門シナリオでいきなり「この人,特別だから能力使ってもそれと分からないよ〜」ってなルール破りが書かれていたりします。
ルールもがちがちではないので,幾らでも例外がありうると「予感」させます。実際にはそんなこと起こらないにしても,「ひょっとしたらありうるんじゃないか」と想像させる余地があります。

一方 D&D の方は赤箱の頃からのつきあいでよく知っているし,何より 3版/3.5版はルールの整備が行き届き,体系だった作りになっているせいで,逆に「わくわく感」は削がれてしまっています。
それは知っているモンスター,知っている呪文,知っている特技,というにとどまらず,たとえ知らないモンスター,知らない呪文であっても,既存のモンスター,呪文,特技の枠の中には収まっているはず,という妙な安心感に結びついています。

そしてさらに悲劇的なのは,その枠からはみ出る存在は「なんだそれは!」という驚きに繋がるのではなく,「なんだその狡モンスターは!」という,バランスの悪さとかルールの不出来として捉えられてしまう点でしょう。

ゲームの出来としては D&D の方が圧倒的に上だと思うし,どっちか選べと言われたらやっぱり D&D なんだけど,RPG として大切なものを失いつつあるような気がします。
「どきどきわくわく」できるゲームってロールプレイングゲームくらいですから。
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