2012/3/29 16:14
NPCを上手く使ったシナリオの作り方 その3
かなり空いてしまいましたが、やっと色々片付いて一息ついたので続きです。
シナリオに深く関わってくるNPCの代表というと、依頼人にラスボスといったところでしょうか。これらの顔ぶれを見ると、TRPG に登場する NPC は立ち位置が固定的であることが多いのではないでしょうか。
つまり、依頼人は PC の味方でありラスボスは PC の敵。依頼人が実は悪者で敵、というケースもありますが、その場合も立ち位置は「敵」として固定的です。
しかしシナリオ上「どっちつかず」として設定されている NPC を上手く使ったシナリオというのも面白そうです。「どっちつかず」というのは、パーティが上手く立ち回れば強力な味方になり、下手を打ったりすると敵になってしまうような存在です。あるいは、パーティが放置していても、敵方に口説かれてパーティに敵対するでもいいでしょう。
味方になった場合は敵の一部を倒してくれる、武器弾薬の支援をしてくれる、敵方への補給を絶ってくれる、敵の援軍を食い止めてくれる、といった協力が得られ、一方、敵に回ってしまった場合は直接的にパーティを攻撃してくる、敵方に武器弾薬・秘密兵器を提供する、パーティ側の支援者を抑えこむ、といった妨害をしてくるわけです。
こういった NPC の存在は、パーティの選択肢を増やし、ゲーム性を高めてくれます。実は『TRPG シナリオ作成の道具箱』の「説得」の課題がまさにこれにあたります。ボードゲームで言うと序盤から中盤で自分の資源を増やしていくようなイメージですね。
そういえばちょっと脱線しますが、TRPG のシナリオって途中でパーティのリソースを増やすという意識が薄いですかね。シナリオ開始時がヒットポイントも魔力も資金も最大で、シナリオが進むにつれだんだん減っていくパタンが多いのではないでしょうか。一部、ロールプレイなどでポイントを貯めていけるようルールレベルでサポートしているシステムもあるってところでしょうか。
話を戻しましょう。あるいはいっその事、NPC を味方にする事自体をシナリオの目標にしてもいいかもしれません。
選挙戦みたいに、「7人の有力者のうち過半数の4人を味方につければ勝利」みたいなシナリオがあっても面白いのではないでしょうか。7人のうち誰の支持を取り付けるか、とか、誰が元々友好的で、誰が強硬な反対派で、誰が裏切りやすいとか金次第だとか、有力者の特徴を探りながら支持を取り付けていくって感じにすると、ゲームとして面白くしやすそうです。ボードゲームっぽいかも。