Dungeon Alchemist

TRPG kilica 2022/9/19

Dungeon Alchemist はマップ作成ツールです。名前のとおり、ダンジョンや建物のマップ作成がメインです。3Dの美しいビジュアルが目を引きます。

Kickstarter でキックしたのですが、多忙で半年くらい放置してました。ようやくインストールして使ってみました。なお今は Steam で購入できます(9/19現在で早期アクセス、4,750円。 Windows, Mac, Linux に対応)。

これまでに使ったマップ作成ソフトとの大きな違いは、通路や部屋といった囲いを作ると、その中の扉や窓、置かれているアイテムなどを自動的に、いい感じにつけてくれる「ランダム」機能を備えている点です。そう、「美しく様々なアイテムや扉、窓などを配置できる3Dマップ作成ソフトはいままでにもあったのですが、地図アート職人ではない一GMとしては、最初は面白くて凝ったのを作ったりもするんですがすぐに面倒になります。

Dungeon Alchemist の開発者は、その事情をよ〜く分かっているのでしょう。「AI を使って」いい塩梅に自動で配置してくれます。使い始めて5分も経たないうちに、こんなマップを作れます

この地図ができるまで

まずは立ち上げたときの画面です。ベースの地形が用意されます。ここでは、建物の種類として Castle が選ばれ、部屋の種類として Random が選ばれています。建物の種類としては現在、打ち捨てられた廃墟、錬金術師の研究室、城、地下、お菓子の家(?)、屋敷、酒場、村が用意されています。

まずはキャンパスの下の方に、城の胸壁になる長細い部屋を作ります。マウスでドラッグして離すと……

部屋が生成されます。マウスで部屋の範囲をドラッグして離しただけです。床のテクスチャも、アーチの門や窓も、置かれているテーブルや灯りも、自動的に配置してくれます。なおこれらの要素は、一つ一つ、変更することも可能です。「ここにはどうしても扉が欲しいな」という箇所があれば自分で指定して変えることも出来ます。

また、Random にせずに Bedroom などを選べば、Bedroom にふさわしい調度(ベッドなど)がこれまた自動で置かれます。

もう一つ、右端に部屋を作ってみました。

そんな感じで部屋の形をドラッグするだけでなんかお城っぽいものが完成です。

ここまで、6つの部屋の形をマウスでドラッグして指定しただけで、5分もかかりません。初めて使ってあれこれ操作を試しながらかかった時間なので、実際には1分とかからず作ることも可能でしょう。感動的な簡単さです。楽しい!

Fantasy Town Generator

TRPG kilica 2022/8/22

Fantasy Town Generator

ランダムに街の地図を作ってくれるサービスです。

この手のサービスでは watabou さんの Medieval Fantasy City Generator が有名ですが、この Fantasy Town Generator も素晴らしいサービスです。

生成される街のそれっぽさでは watabou さんの方に軍配が上がりますが、Fantasy Town Generator のすごい点は、描画されたすべての建物の設定をランダムに振ってくれることです。詳細なアルゴリズムはわかりませんが、宿や酒場は通りに面したところに配置されているように見えます。

しかも、その建物の部屋と、各部屋にいる人まで作ってくれます。建物がお店の場合は、売っているものもリストになります。

さらに、「時間を進める」ことができて、進めるとその建物の中にいる人も変わります!

こうして生成した地図やデータは、編集することができます。自分のキャンペーン(シナリオ)の舞台に合わせて、建物の名前や役割、住人の名前などを変更できるのです。建物や住人のリストは、csv または json 形式でダウンロードすることもできます。

画像の左は、The Slithering Unicorn という酒場をクリックしたときのポップアップ。バーにバーテンダーとメイド、調理場にコックがいますね。バーテンダーをクリックすると、74歳の女性のハーフリングだと分かります。Location を見ると、Goodheaver Residence に住み、The Slithering Unicorn で働いている、と書かれています。先程の酒場です。

生成時のオプション

生成時には、色々なオプションを設定できます。

これは基本設定。街の規模と豊かさを指定できます。豊かさによって、生成される建物が変わってくるようです。

周辺の地形と収穫できる資源の指定。これも、生成される建物に関わってるっぽい。

かなり細かい設定もできるようですが、まだよくわかってません。

さてこのツールですが、マップ10枚までは無料で使うことができますが、それ以上作りたい場合は有料(月額 £4。700円くらい)となります。生成した地図やデータの利用に関する規約は見当たりません。そして、Twitter や Google で検索してみてもほとんど情報が出てきません。これから宣伝でしょうか?

Inkarnate Pro

TRPG kilica 2018/5/5

先日、ファンタジィ世界の地図をきれいに描ける Inkarnate Worldsプロ版のページができていました。

https://Inkarnate.com/landing より

プロ版は、

  • 高解像度(無料版の4倍)の地図
  • 追加のアセット(無料版100+に対して、500+のアセットが用意されているとのこと)
  • 追加の地形(雪山、沼地、荒野など)
  • 他種族(エルフ、オーク、ドワーフなど)の建築物

が使えるようです。また、商用利用も可能になります。ただし、利用規約にはその範囲が明確に書かれていないように思います。

価格は、$25/年(月払いの場合は$5/月)です。日々使うサービスでもないと思いますので、必要な月だけ払う、というのでもいいような気もします。

Neath 3D Dungeoneering の紹介動画

TRPG kilica 2014/11/14

この前紹介した Neath 3D Dungeoneering で作られたダンジョンの紹介動画。

Grim Hall 

3Dダンジョンマップツール Neath 3D Dungeoneering

TRPG kilica 2014/10/29

Neath 3D Dungeoneering MonkeyBlood Design

3D のダンジョンマップを簡単に作ることができるのがこの Neath 3D Dungeoneering です。Sketchup という(基本機能は無料の) 3D モデリングツールのテンプレートとして提供されています。

製品紹介(PDF)

チュートリアル(PDF)

この Sketchup で使える通路や部屋といったダンジョンのパーツが150ほど用意されていて、ドラッグアンドドロップで配置していくことでダンジョンを作ることができます。

パーツ

基本的なパーツは用意されていますので、それを使うだけでもかなりのバリエーションはカバーできますが、Sketchup の機能を使って、ぐねぐねと変形させることも可能です。独特の操作感ですが、これがなかなか気持ちいいです(笑)

3Dモデリングツールですので、作ったダンジョンはあらゆる角度から眺めることができます。

値段は15£で、だいたい3000円弱。まあまあの値段でしょうか。

ちょっといじっている隙がないので、簡単な紹介のみですが、上のチュートリアルにけっこう分かりやすく書いてあるので、ご覧いただければだいたい分かるんじゃないかと思います。

InKarnate アルファ版

TRPG kilica 2014/9/15

しばらく前に目をつけた InKarnate というTRPG用のマップ作成ツール(本当はキャラクタ作成などもサポートする総合支援ツールという構想みたい)が登録ユーザ向けにリリースされましたので、早速使ってみました! なお、現在は限定されたユーザにのみ公開されているアルファ版です。

実際、半年くらいまえにユーザ登録して、その後音沙汰がなかったので「うーん、ポシャったか」と思っていたのですがコミケ前日辺りに「使ってみてくれ!」(意訳)というメールが届きました。もう少し早ければ『大全3』の記事に載せたのにぃ。

InKarnate は UI が CSS/Javascript で実装されており、ブラウザ上で動作します。サイトにアクセスしてログインすれば、すぐに使うことが出来ます。

特長

TRPG向けの地図作成ソフトはいくつかあるのですが、InKarnate はそれらとどう違うのでしょうか。

まずは、どんな地図が出来上がるのかを見てみましょう。InKarnate で適当に作ってみた地図がこちらです。なかなか良く出来てますね?ますよね?

スピード

この地図がどれくらいで描けるかというと、なんと約20分! 他の地図作成ソフトと比べても素早く描ける部類に入ります。

操作

簡単です。山や都市などのオブジェクトは、シンボルを選んでスタンプみたいにマウスでペタペタ押すだけです。

他の地図作成ソフトと比べて特に出来がいいと思ったのが、海岸線(陸地・海)などの作成と、森や平原のテクスチャの描画です。どっちかというと、既存のソフトはなぜこうなってないんだ、という気もしますが。

新規作成時点では全て海なので、陸地を作る場合はマウスクリックしながら動かして塗る、出っ張り過ぎたら削る、という操作です。それだけなんですが、なんかいい感じの海岸線が引けます。陸地で塗りつぶすような場合はブラシサイズを変えてXLにすれば、すぐに塗りつぶすことが出来ます。

森や平原を描くときもテクスチャを選んで塗るんですが、適当に塗ると、境界をぼかしてそれっぽくしてくれます。

表現力

ご覧のとおり、彩度を抑えた雰囲気のある地図を作ることが出来ます。

ただ、まだアルファ版ということもあって、自然物のシンボルは山のみとなっています。デモを見ると、木のシンボルも配置されているので、そのうち増えるのではないかと期待しています。

メイキング

公式サイトの動画デモをご覧いただいたほうが分かりやすいかと思いますが、上のマップの制作過程のスクリーンショットをご紹介したいと思います。

新しいマップを作る

新規作成後の状態。全面海です。

陸地の線を引く

適当に引きます。

陸地を塗りつぶす

ブラシのサイズを XL にして塗っていきます。

海岸線を整える

細いブラシにして、海岸線を整えていきます。

山を描く

山のシンボルを選んでぺたぺたと地図上の配置したい場所に押していきます。クリックしながらマウスを動かすと、山脈を作ることが出来ます。

森と平原を描く

テクスチャを選んで塗って完成です。ここまでで約20分。早いですね。

架空の島コアナの圧倒的な地図

TRPG kilica 2013/8/18

"You Won't Believe How Insanely Detailed This Guy's Fictional Maps Are. Seriously." - Wired Science

TRPG用ってわけではなさそうですが、Koana という空想上の島のびっくりするくらい詳細な地図を Ian Silva さんという方が作成。ここにもまた、地図に取り憑かれた人が(笑)。

もっとも、単なる地図のみならず人口構成やらレストラン・大学・野球チームなどの設定、そして将来的にはガイドブックを出したいとか言っていますので、架空世界の創造に分類したほうがよさそうな感じです。

こういった地図はファンタジーなど本当に空想の土地のものが多いのですが、この Koana は南半球のオーストラリアないしインドネシアのあたりを想定しているそうです。それも現代なので、地図には道路や鉄道の路線図も用意されています。