TRPG 同人誌マーケティング
本記事は、氷川が行なった同人誌販促活動についてまとめたものです。主に、2011年夏コミ参加時の活動内容のご紹介で、ブログで掲載していたものと構成は変えていますが書いていることは概ね同じです。
ちなみに筆者はふだんウェブ関係の仕事をしています。SE 的なことがメインですが、隣接分野に(主にウェブの)マーケティングや SEO もあり、専門ではありませんが、通り一遍の知識と多少の経験はあるといったところです。
マーケティングとは
はじめに、「マーケティング」という言葉ですが、ウィキペディアでは次のように説明されています。
一般的な企業活動のうち、商品・サービスそのものの企画・開発・設計やブランディングから、市場調査・分析、価格設定、広告・宣伝・広報、販売促進、流通、マーチャンダイジング、店舗・施設の設計・設置、(いわゆる)営業、集客、接客、顧客の情報管理等に至る広い範囲においてマーケティングミックスの4Pや4Cの活動が行われている。
このように、かなり広範な活動をさして呼びますが、本記事では、このうち「広告・宣伝・広報・販売促進・集客・顧客情報管理」についての活動をさして呼ぶことにします。
なぜマーケティング活動をするのか?
同人誌を出しているサークルで、戦略的にマーケティングを行なっているところは殆ど無いと言っていいと思います。とりわけ、 大手でもないサークルでは皆無といっていいでしょう。同人活動にマーケティングは必要か? と言われれば、別に必要ないと思います。先ほど書いたとおり「作りたいものを作る」ところまでが同人誌の中核でしょう。そもそも、締め切りギリギリまで原稿をやっていてマーケティングなんてやる暇ない!という方も沢山いそうです。
それではなぜマーケティング活動を行うのかといえば、僕には2つ理由がありました。
一つはごく単純で、マーケティング活動自体が楽しいからです。戦略を立て実行し結果を測って改善する、という活動が楽しいのです。SEOで順位が上がったり下がったり、「あのリンクが効いたに違いない」とか、「なかなか1ページ目に行かない」とか。モチベーションとしてはこの楽しさです。
もう一つは、せっかく作った同人誌なのだからたくさん売れて欲しい、たくさんの人にみて欲しいと思うからです(沢山売れ残ると困る、というのも)。こちらは、殆どの人がそうなんじゃないかと思います。仕事でも、物はいいんだけど PR やパッケージングが下手で売れてない製品とかたくさん見ました。
ただ勘違いしていけないのは、これが販売数を目的にした活動ではないということです。例えば何らかの方法で調査して 1,000 人の人が買う同人誌と 100 人の人が買う同人誌があると分かったとします。この結果を元に 1000 人の人が買う同人誌の方を作る、という活動ではありません。どちらを作るかは、「作りたいものを作る」です。
そうではなく、最大 100 人の人が欲しがっている同人誌を書いたとして、何もマーケティングをしなければ 20 人の人が買ってくれていたところを、マーケティングを頑張ることで 50 人の人に買ってもらう、60 人の人に買ってもらう、という活動なのです。