2006/6/25 1:35
『中世の旅人 ヤン』
中世ヨーロッパを舞台にした小説です。ただし,そのねらいはあとがきに端的に書かれています。
「そこで,ぼくはそれをひとに伝える本を書きたいと思った。やさしい文章で,中世にタイムスリップして,まわりの有り様を覗いているような,映画的な,肩の凝らないものにしたい。一冊読めば,中世の時代性が大雑把に分かる入門ガイドブックのような本にしたいと思った。」(あとがきより)
そのねらいどおりの内容で,簡素な文体で,主人公ヤンが修道院で幼少時代をすごし始めてから成長し舞台を村,そして都市へと移していく中で,中世の風景を詰め込んだと言う感じです。
物語にしてあるので,読みやすいですし頭にも入りやすい。ヴォリュームもたっぷりで,なかなかいい本です。