2006/7/8 12:22

「ある首斬り役人の日記」

タグ: 歴史

ある首斬り役人の日記
フランツ・シュミット 藤代 幸一
白水社 (2003/12/11)
売り上げランキング: 55,209


「三. グローンラ・ヴァイグラ,クロイラン出身。一味とともに殺人を五件犯した人殺しを,ホルフェルトにて車裂きの刑に処した」

16世紀の首斬り役人が書き記した処刑の記録。上のような記述が延々綴られています。よくこんな本が出るなあと思いますが,元々は単行本で出ていたのが新書になったものなので,それなりに売れてるんでしょうね。

あまり一般向けではないかもしれませんが,興味深い本です。


  • 何をやって,どんな刑に処せられたかが,実態として分かる。

  • ニュルンベルク近郊の,結構広い地域(およそ 40km 四方)のあちこちで処刑を執行している。死刑執行人というと,なんとなく特定の都市の専属というイメージが強かった。

  • 年間数件?10件程度の処刑が記録されている。

  • 識字率が低かったと思われる当時で,首斬り役人自らがこれだけの記録を残したのはとても貴重な史料なのではないか

  • 訳者の前書きにもあるが,後年になるにつれ記述量が増える傾向がある

blog comments powered by Disqus