2007/6/22 15:16
『蜘蛛の巣』
タグ: 作品
前にも紹介しましたが,7世紀のアイルランドという,中世の中でも地理的にも時代的にもマイナな設定のミステリィです。ようやく読み終わりました(時間がかかったわけではなく長らく積ん読状態だったんですが)。
「修道女フィデルマシリーズ」の翻訳第1巻ですが,原書では5巻目にあたるとか。
「修道女」とありますが,この主人公,いろいろな肩書きを持ち,物語の中では修道女としての行動は少なく,もっぱら高位の法律家(裁判官であり弁護士)として活躍します。中世ヨーロッパを舞台にしたミステリィというと「カドフェルシリーズ」や『薔薇の名前』が有名で,どちらも渋?いおじさん(お爺さん)が主役を張っていますが,本書はお婆さん,ではなく若く美貌の女性,しかも高位法官であり修道女であり,さらに王女でもあるという非常に派手な肩書きを持つ女性が主人公です。もう10歳年下になっていたらライトノベルといっても通じる設定です。
ミステリィ的な部分は,古典的と呼ぶべきか,西へ東へ走り回ってこつこつ手がかりを集め,真相にじわりじわりと近づいていきます。太古のアドベンチャーゲームみたいな進行。
主人公が法律家だけあって,当時のアイルランドの法律(ブレホン法)が度々引き合いに出され,ちょっとしたブレホン法の入門書みたいなんですけど,これがまたびっくりするほど近代法的な精神を持った法律です。著者は高名なアイルランド史家だそうなので,実際そういう法律だったんでしょうねぇ。
「修道女フィデルマシリーズ」の翻訳第1巻ですが,原書では5巻目にあたるとか。
「修道女」とありますが,この主人公,いろいろな肩書きを持ち,物語の中では修道女としての行動は少なく,もっぱら高位の法律家(裁判官であり弁護士)として活躍します。中世ヨーロッパを舞台にしたミステリィというと「カドフェルシリーズ」や『薔薇の名前』が有名で,どちらも渋?いおじさん(お爺さん)が主役を張っていますが,本書はお婆さん,ではなく若く美貌の女性,しかも高位法官であり修道女であり,さらに王女でもあるという非常に派手な肩書きを持つ女性が主人公です。もう10歳年下になっていたらライトノベルといっても通じる設定です。
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