2008/5/6 14:34

『類語使い分け辞典』

タグ: 一般

ちがいがわかる 類語使い分け辞典
松井 栄一
小学館
売り上げランキング: 1233


たまたま本屋で目に留まって見たところ、面白そうだったので購入。
他に角川書店の『類語国語辞典』、講談社の『類語大辞典』というのを持っている(家にある)のですが、まるで様相を異にしています。
持っていた二冊が、短い数語の定義が面白みも無く並べてあるだけなのに対し、本書は頭から読んでいっても面白く読めるように書かれています。あまり辞書っぽくないですね。1ページに1語群の説明がまとめられていることもあって、『よく分かる?』や『図解?』シリーズのような印象です。

表紙の帯には「「山にのぼる」と「山にあがる」の違いをいえますか?」という問いかけがあります。
本書内の説明は、

POINT:


「あがる」は、低い位置・段階から高い位置・段階に移るの意で、そこへの到達に重点がある。「のぼる」は低い位置から高い位置へ移っていく意で、移動そのものに重点がある

使い分け







表現例あがるのぼる
A 山に ― /坂を ―
B 大勢の生徒の手が ―
C 汗をふきふき山道を ―

(本当はもう3例あります)

解説



  • Bで「あがる」は、手のような体の一部の移動にも使えるが、「のぼる」は動かせるもの全体の移動にしか使えない。

  • 「のぼる」は経過に重点があるため、Cの「汗をふきふき」という途中の動作とともに用いても自然だが、到達点に重点のある「あがる」は不自然。


(本当は6例ぶんの解説があります)

といった具合に、「なるほど、言われてみればその通りだ」と思える解説が付されています。
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