2004/3/13 12:50

百鬼夜行抄

タグ: 作品

'【タイトル】 百鬼夜行抄
【筆者/出版社】 今市子/朝日ソノラマ
【発行時期】 1995
【URL】
【評価】★★★★
【紹介内容】
化け物を見る力を持った主人公が日常生活の中で化け物に関する事件に巻き込まれる漫画。一話完結型でもうずいぶん長いこと続いています。
漫画の場合,怪談と言うと視覚的に気味の悪いモノを登場させて怖がらせるという手法が多いのですが,この漫画ではユーモラスな,どこか愛嬌のある線で描かれています。
また,話の内容も化け物や呪い,たたりによってばたばたと人が死ぬ割には明るい,すっきりとした余韻を残します。

というように,絵的にもお話的にも怪談らしからぬ作品なのですが,それでいて畏ろしい,という非常に不思議な作品です。あちらの住人の持ち物を持って帰ってしまう,約束を破る,山中異界に迷い込む,昔からの風習をやめるといった,つまり「あちらの世界」のルールを人間が破ってひどい目に遭う,という古典的な怪談のルールを使って巧みに話を組み立てています。そのため,ぞくぞくっと怖くなると同時に,「ああ,そういえばそんな昔話があったなあ」という懐かしい感じがします。'
blog comments powered by Disqus