テーマを決める
今回のシナリオではまず始めに、シナリオのテーマを決めました。テーマと言ってもだいそれたものではなく、シナリオを1,2行で紹介してください、と言われた時にするようなサマリのことです。これからシナリオを作っていくにあたって、外すことのできない骨格を最初に決めておくのです。
この後、その骨格(テーマ)に対していろいろアイディアを出して肉付けをしていくのですが、出したアイディアを採用するか不採用にするか、その基準の一つがここで決めた「テーマ」です。テーマに沿った、それを後押しするようなアイディアでしたら採用しますし、テーマに反するようなアイディアであれば不採用とします。
なお、あまりに不採用になるアイディアが多い場合は、テーマに無理があるのでもう一度考えなおしたほうがいいでしょう。
元ネタを選ぶ
『インセイン』はホラーをテーマにしたTRPGなので怖い話を考えなければなりませんが、あいにくホラーに分類される作品には大して触れていないため思いつきません。そこで、今回は何か元ネタとなる作品をシナリオにすることにします。
最初は「ことりばこ」みたいなネット小説でも使おうかとしたのですが、知っているプレイヤもいるかもしれないため、今市子の『百鬼夜行抄』文庫版第4巻に収録されている「人形供養」を元ネタにすることに。プレイヤたちの読書傾向から、読んでいる可能性は低く、仮に読んでいたとしても細かく覚えてないだろうと踏みました(実際知っているプレイヤはいなかった)。この作品は、現代日本を舞台にしたホラー作品で、ほのぼのとした感じもありますが、ちょっと「ぞっとする」話で(このへんのさじ加減が絶妙)、『インセイン』となかなか相性が良いと思っています。
「これ」と決めていた話があるわけではなく、1−4巻くらいを見直しながら、怖さが分かりやすく、使いやすそうな話として「人形供養」を選びました。
そのためテーマは、「人形に体を乗っ取られようとしているPCたちが、その呪いを解いて脱出する」としました。