Ars Magica 日本語翻訳
Ars Magica(アルス・マギカ)は、Atlas Games から出ている魔術と魔術師(マギ)に焦点を当てた TRPG です。
2025年末に 5版をベースにした Definitive Edition(「決定版」, PDF)が出て、書籍も現在印刷を待っているところです。
第1版発行は 1987年と、かなりの歴史を持つシステムで、現在の第5版も2004年なので、もう20年以上前になります。デザイナの一人 Jonathan Tweet は、D&D 3版系のメインデザイナとして知られています。
Ars Magica の特徴
Ars Magica 5版は20年以上前の作品で「ちょっと古い」と思われるかもしれませんが、非常にユニークで魅力的な特徴を持ったシステムでもありますので、この機会にご紹介したいと思います。
- 「動詞+名詞」で作る柔軟で強力な魔法システム
- 舞台は1220年、「中世ヨーロッパ」(ただし魔法が実在する)
- 長期プレイを想定したシステム
- プレイの中心となるコヴナント(拠点)作成システム
- 全員が主役で脇役「トループ・スタイル」
それでは『アルスマギカ』の特徴をご紹介していきます。
1. 「動詞+名詞」で作る柔軟で強力な魔法システム
Ars Magicaでは、魔法は「リストから選ぶ」のではなく「作る」ものです。
- Creo(創造する)+ Ignem(火)=火球を飛ばす
- Perdo(破壊する)+ Corpus(肉体)=敵を朽ちさせる
- Muto(変化させる)+ Auram(風)=天候を変える
5種類の技法(動詞)と10種類の形相(名詞)を組み合わせることで、あらゆる魔法を即興で発動できます。
なおいわゆる「呪文」のリストも用意されており、自由度がない代わりに未熟なマギでも行使が容易です。
マギの使う魔法は非常に強力で、柔軟で強力な魔法を楽しめるシステムを探していた方にはドストライクなシステムになっています。
2. 舞台は1220年、「中世ヨーロッパ」
Ars Magica の背景設定は史実の中世ヨーロッパとよく似ていますが、決定的な違いがあります。 アルスマギカは「当時の人々が信じていたこと」が現実となっている世界なのです。
深い森には妖精が踊り、荒野にはドラゴンが棲み、神の奇跡や悪魔の誘惑は実在します。 歴史の重厚なリアリティと、伝説のファンタジーが融合したこの世界が舞台となります。
3. 長期プレイを想定したシステム
Ars Magica はかなり重たいシステムです。魔法の数も大量に収録されているし、それを処理するためのルールやパラメータも半端じゃありません。
それもあって、Ars Magica はサーガ(キャンペーン)で遊ぶことを強く意識したデザインになっています。
ぱっと集まってサクッと遊ぶ、というよりも、コヴナント(拠点)を中心にPCたちを取り巻く世界と物語を、マスターとプレイヤたちが協力して腰を据えてじっくり作り上げていくような遊び方が向いています。
4. プレイの中心となるコヴナント(拠点)作成システム
Ars Magica では、PCたちが暮らすコヴナント(マギたちの拠点)を作成し、これを中心に遊びます。
このコヴナントの作成ルールも用意されており、下手なTRPGのPC作成ルールよりも充実しています(その分、大変ですが……)。
Ars Magica のセッションはしばしば、教会との衝突や近隣領主の干渉、対立するコヴナントとの争いなど、コヴナントが直面する厄介事を解決するためのものになります。
5. 全員が主役で脇役「トループ・スタイル」
平均的なマギは、冒険なんか出ずに自分の研究に没頭していたいという連中です。
そこで Ars Magica では各プレイヤがマギと複数のPCを作り、セッションごとにマギのPCを使ったりコンパニオン(マギを助けるマギ以外の有力者)のPCを使ったりして遊びます。
セッションに参加しなかったマギは研究することが出来、魔法の能力を伸ばしたり、魔道具を作ったり、呪文を習得したり出来ます。
またPCを変えて遊ぶだけでなく、ストーリーガイド(マスター)も交替で遊ぶことも提唱されています。
アルスマギカ 第5版 のCCライセンス提供と日本語訳
第5版出版20周年に当たる2024年に、Atlas Games は Definitive Edition 出版のクラウドファンディングを実施するとともに、そのストレッチゴールとして第5版の「フリーコンテンツ化(Creative Commons BY-SA でのライセンス)」を設定しました。
そして見事 1億円($80万)以上の支援を集めて、サプリメント群も含めて CC でライセンスされることになったのでした。
おかげで、自由に日本語訳を作成して公開することが可能になりました。
その他、Ars Magica のシステムを使って自作のファンタジィ世界で遊ぶ、あるいはArs Magica の豊富な背景設定を使いつつ自作のルールシステムで遊ぶ(そしてそれをネットなどで公開する)、といったことも可能です。
ただし、ルールブック中のイラストなどは CC ライセンスにはなっていませんので、購入したPDFなどをそのままアップすると著作権法違反になりますのでご注意ください。
アルスマギカ日本語訳
日本では2010年代に Regulusさん、ながみゆきとさん、Czan さんが第5版の日本語翻訳活動をしており、この度、その許可をいただいて CC BY-SA で公開しました。
https://github.com/arsmagica-jp/5th
ただ、Czan さんとは連絡がとれなかったため、Czan さん担当分にはひとまず機械翻訳を充てています。今後、新たに翻訳を用意したいと思いますので、もし「何か出来ることがあれば協力したい」という方がいらっしゃいましたらお気軽に氷川までご連絡ください。
https://github.com/arsmagica-jp/5th/wiki/%E7%BF%BB%E8%A8%B3%E5%8D%94%E5%8A%9B