アイディアを出す
元ネタとなる作品を選んだら、その作品を中心としてシナリオを構成する要素を挙げていきます。詳細を詰めていく中で思い浮かぶアイディアもあると思いますが、まずは思いつくだけ、とにかく数を挙げていきます。
この段階では、系統だっている必要も、実際にシナリオに使うかどうかもそれほど気にする必要はありません。
作品から要素を抽出する
まずは、その作品の中からシナリオで使ってみたい要素を抜き出します。
場面、登場人物、提示された謎、セリフ、季節や時間、結末、物語の背景など、気になった要素を抜き出していきます。
この作業は、通勤時間に話の内容を思い出しながら手帳にメモしていきました。元ネタに選んだ「人形供養」を何度か読み返しながら、以下の様な要素を抽出しました。
- 「犯人」が誤って人を殺してしまい、それをなかったコトにするため、願をかける。それに応えて人形たちが動き始める
- PCたちは、人形に体を乗っ取られる。その呪いを解くために調査する。
- 目が覚めると、隣で寝ているPCが一瞬、人形に見えた
- 葬式の風習(遺体がない場合、人形を代わりに使う)
- 過去の殺人事件と間違えて届いた七体の人形。燃やされることなく蔵にしまい込まれる
- 人形たちが封印されていた蔵
- PCたちが蔵に閉じ込められる
- 閉じ込められた蔵で、人形が吊られている。隙間風で、吊るされた人形がギシギシと揺れる。それが、人に見える。
ついでに、他の話の中にも使える箇所はないかと考えながら読んでみましたが、これといって思いつきませんでした。
要素をシナリオに合わせる
抽出した要素は、そのままではなかなかシナリオに採用できません。絶妙なタイミングで絶妙な行動を取らせることのできる漫画などの作品と違って、セッションではPC達が思い通りに動いてくれません。
今回のシナリオでは、抽出した要素のうち、明らかにそのままでは使えないと思われる要素をを次のように変更しました。また、この後でもシナリオの都合によって随時変更を加えていっています。
舞台:原作では街中の家が舞台となっているが、それではすぐに出てしまえるため、ホラーの定番、寂れた村に閉じ込められることに。
関わるきっかけ:原作では友人に呼ばれて人形の家に行くが、PCの一人が他のPCたちを温泉宿に呼ぶことに。
蔵:原作では質屋の蔵となっていたが、そのまま温泉旅館の蔵ということに。
結末・解決方法:どうするかはこの時点では考えていなかったのですが、原作の解決方法がTRPG向けでないのは間違いないため、変更が必須と考えていました。
要素を追加する
原作の要素だけではシナリオとして物足りないため、新たに思いついた要素を書き留めていきます。こうして出したアイディアもまた、採用できるかどうかは分かりません。面白いと思っても、元の話に合わない、要素が増えすぎるなどの理由で削ることになるかもしれません。
今回は、「人形」の怪異なので、人形に関する要素を中心にあれこれ考えてみました。
- 人形を落とした少女を導入で出す(「供養をしないと人形が祟る」という呪術的知識をプレイヤ達に伝える)
- PCの友人が気味悪がって人形を壊すと、血を吐いて倒れる(人形と本人がリンクしていることをPCに伝え、迂闊に壊せないようにする)
- 雛祭り、流し雛、お焚き上げ
- 人形に乗っ取られたPCが夢をみる。ふと気づくと、棺桶の中で身動きできない状態 になっている。それを、人形が覗きこんでニタニタと笑っている。
やってみよう
元ネタに選んだ作品から、シナリオに組み込みたい要素を抽出してみよう。
また、作品にない要素でも、シナリオに組み込みたいアイディアがあれば追加してみよう。