PCの秘密を決める
このへんから、PCの秘密を考えたり、シナリオの秘密を考えたり、背景設定を考えたり、イベントを考えたりと、あちこち行ったり来たりしています。解説の都合上、整然と作ったように書かれている部分もありますが、実際には混沌としながら徐々に形になっていく、という感じです。
PCの「秘密」を作る
この辺りで、PCやシナリオに登場するNPC・場所の「秘密」を考え始めました。
最初、『深淵』の「運命」のように、PCごとにバラバラに「秘密」を作ろうとしたんですが、「なんか違うな」と感じました。例えば、「君は実は○○だ」「君は過去にこの村に来て△を目撃した」みたいな「秘密」を設定しようとしたわけです。無論こういう設定もありだと思いますが、想定していた関わり方が「たまたま運悪く巻き込まれる」だったので、それと決定的に相反してしまうのです。
リプレイを読み直し(ようやく)気づいたのが「導入フェイズの事件の結果、PCが秘密を抱えることになる」というのが『インセイン』流なのだなってことです。無論、最初から因縁のような秘密を抱えていても良いのですが、「偶然巻き込まれた」タイプのストーリであれば、導入フェイズの結果、秘密を抱えるという方がたぶん自然でしょう。
とりあえず、思いつくままPCの秘密を設定してみます。
- PC1:子供の頃、スキーに連れて行ってもらったことがある。その時泊まった宿で人形を見た
- PC2:人形と目が合い乗っ取られる。この家から脱出する。
- PC3:人形と目が合い乗っ取られる。この家から脱出する。
- PC4:葬儀の風習を調べている
- PC5:NPCの家族の仲が悪いということについて相談を受けていた
導入フェイズの事件を考える
とりあえずPCの秘密を考えてみたものの、「導入フェイズの事件の結果、PCが秘密を抱えることになる」という流れだと、その事件をある程度決めてから各PCの秘密を決めたほうがいいだろうと考え、Google Docs にまずはオープニングの事件の流れを書いてみました。
- PC1が一足先に宿に着く。叔母たちに挨拶する。何か変(?)
- PC2,3,4がスキー場で楽しむ。日中は晴天でとても暖かく、雪が溶けてしまわないか心配するほどだが、夜は冷え込んで雪が降り積もっているらしい。スキー場からバス停まで移動する間に泣いている女の子に遭遇する。話を聞くと、持っていたクマのぬいぐるみを川岸に落としてしまったらしい。
- ぬいぐるみを拾ってくると「濡れてて汚くなってるからもういらない」というが、現れた母親から「人形を粗末に扱うと仕返しされますよ」と叱られて帰っていく。
- PC 2, 3, 4, 5がバスで村に到着し、宿に着く。
- PC2とPC3が、涼子と「人形遊び」をして人形に魅入られる。涼子は2体の人形を持っており、PCに1体ずつ渡す。
PC1は他のPCたちを温泉旅館に呼ぶ役割、PC2,3 はモロに人形の呪いを受ける係、と簡単に決まったのですが、PC4, 5 はいまいち決まりません。漠然と、民族学的な調査に来たことにしようかと考えていたが、シナリオ作成終盤になってこれでは関わりが薄いしキーワードのリンクをも作りにくいと考え、別の導入を考えることにしました。特にPC5はセッション前日まで決まらず、しっくり来るのが思いつかなければPC2, PC3同様、呪いを受けたことにしてお茶を濁そうかなあと思ったのですが、何とか作りました。
PCの秘密を書き換える
以上のように、シナリオを詰めていく中で最終的には、PC2、3を除いて全然別の秘密になりました(笑)。
- PC1:叔母から旅館に泊まりに来るよう誘われ、他のPCたちを連れてくる。挙動のおかしい叔父の状況を確認する。
- PC2:人形と目が合い乗っ取られる。この家から脱出する。
- PC3:人形と目が合い乗っ取られる。この家から脱出する。
- PC4:蔵で人(和美)が首をつって死んでいるのを窓越しに目撃するが、何かの見間違いだったのかもしれない。その真相を確認する。
- PC5:旅館での夜、隣で寝ていた誰かが人形だったかのように見えた。それが誰だったのか、単に寝ぼけていたのかを確認する。