2019/1/3 0:53
サークル「氷川TRPG研究室」の活動を振り返って
Twitterなどで告知しましたとおり、当サークル「氷川TRPG研究室」は、コミックマーケット95(2018年冬)を持ちまして、しばらくサークル活動を休止いたします。これまでのご愛顧・ご声援ありがとうございました。
ちなみにここで言うサークル活動の休止というのは、「コミケなどイベントのサークル参加の休止」のことです。
各ショップさまでの委託販売は在庫がある限り継続いたします。また記事を書いたりなんか作ったり、という活動は随時行っていくと思います。
休止の理由としては、開発(プログラミング)など他のことをやりたいためというのが一つで、これはもう Vol.4の頃から書いてきたことですのでようやく、といったところでしょうか。
もう一つは最近寄稿数が減ってきているので夏冬と毎回刊行することが難しくなってきたというのがあります。そこへ来てオリンピックで会場問題が持ち上がっていますので、まあちょうどいい機会かなと休止することとさせていただきました。
さて、折角の機会ですので、当サークルの活動を振り返ってみたいと思います。
刊行物に関するデータ
- TRPGシナリオ作成の道具箱 (1350)
- ダンジョンシナリオ作成講座 (1150)
- TRPGシナリオ作成大全 Vol.1 (1800)
- TRPGシナリオ作成大全 Vol.2 (1600)
- TRPGシナリオ作成大全 Vol.3 (800)
- フォルクロア (40)
- TRPGシナリオ作成大全 Vol.4 (650)
- しぇいらコレクション (300)
- TRPGシナリオ作成大全 Vol.5 (370)
- TRPGシナリオ作成大全 Vol.6 (1600)
- TRPGシナリオ作成大全 Vol.7 (500)
- 精霊戦記 (500)
- TRPGシナリオ作成大全 Vol.8 (1000)
- TRPGシナリオカタログ2017 (300)
- ダンジョンシナリオ作成講座(新版) (500)
- TRPGシナリオ作成のがらくた箱 (500)
- TRPGシナリオ作成大全 Vol.9 (500)
全部で17冊。ずいぶん出ましたね(笑)
一番初めの『TRPGシナリオ作成の道具箱』は2011年夏コミですので、ちょうど8年間活動していたことになります。
( ) 内の数字は印刷部数です。全部で13,500冊弱。売れた分で言うと、大雑把な数字ですが11,000冊くらい? 10,000冊は超えているでしょう。すごいですね。
制作を振り返る
なんでコミケにサークル参加をすることにしたのかは、あまり覚えておりません。いっちょ出してみるか、くらいの感じだったように思います。
初期の『TRPGシナリオ作成の道具箱』『ダンジョンシナリオ作成講座』は、どちらもその10年くらい前にウェブサイトで発表していたものを書き直したものです。ですので、最初の頃はネタに困ることはありませんでした。
同人活動の苦労と言うと「締切」が話題になりますが、僕に関して言えば昔からコツコツやるタイプで、締切にもそれほど困ったことはありません。入稿前でも睡眠時間もほとんど変わりません(最初の頃は入稿手続きに手間取って深夜まで作業したりしましたが)。そのかわり、年間を通じて一定の時間を使いつづけるため、他の活動があまりできなくなってしまいます。また入校前に集中して一気に仕上げるということもできませんので、一定の遅れが発生すると挽回が難しくなります。
ツール・印刷所
製本のためのツールとしては、同人活動を始める前から何故か Adobe の Collection は持っていたのですが、InDesign をまともに使うのは初めてでした。とはいえ単純な紙面なので、使い方にそれほど困ることはありませんでした。慣れてきたら InDesign のスクリプトを使って markdown や json からの自動組版にもチャレンジしてみました。
最初の頃は原稿をプリントアウトしてチェックし赤を入れていましたが、途中からタブレット(iPad, GoodNotes)を使うようになりました。紙とトナーも無駄になりませんし、とてもはかどります。
印刷所はどうやって選べばいいのかよくわからず、「どどんとふ」の本の奥付にあったポプルスさんにお願いしました。以後、メインのシリーズではそのままポプルスさんを使い続けています。
ちょっと変わった表紙(精霊戦記やダンジョンの第2版)を使いたくなったときは、グラフィックさんを使っています。こちらは入稿のIT化がびっくりするくらい進められています。Illustrator の原稿などをアップロードすると、その場で簡易なチェックまで自動でしてくれます。
商品数と在庫
『大全』のVol.3あたりから、商品点数の多さが問題になってきました。スペースに商品が並びません。これについては、既刊は持っていかない(ショップ委託のみにする)という選択肢もあったかもしれません。たくさん並んでいると、それだけで敬遠されてしまうこともあるのかなと思います(反対に遠目にも目立ったかもしれませんが)。
また商品点数が増えると、在庫がそれに比例して増えます。今も在庫部屋に1000冊以上の在庫があって、床面積の半分を占めています。部屋が広くないとできないですね。
反響
直接の反響、感想を寄せてくれる数はそれほど多くありませんでしたが、同人活動の場合はまず頒布数が反響の大きさだろうと考えていますので、とても大きな反響があったと言えます。
当時はまだクトゥルフバブル前だったし、シナリオ作成というニッチなテーマで文字ばっかりの同人誌なんてさほど売れないだろう、と思っていたので、初参加のときの、持っていった『道具箱』100冊があっという間に完売したのには驚きました。「このニッチはいけるぞ」という手応えを感じました。とはいえ、最初の頃は需要がどれくらいあるのかよくわからなかったため、100部ずつちょびちょびと増刷していました。
また感想の数自体は多くありませんが、シナリオ作成にとても役に立った、という声はたくさん頂いていて、作ってよかったなというのは感じます。もともと「一人でも素晴らしい、役に立ったと言ってくれる人がいれば成功だろう」という低い志で始めたので、この反響はありがたい限りです。
実際、
- 『TRPGシナリオ作成大全』を参考にしながらシナリオの同人誌を作った(というサークルさんがお隣だった)
- 読み込んでぼろぼろになってしまったので、もう一冊買いに来た
という方までいらっしゃいました。
感想まとめ
- TRPGシナリオ作成大全感想 - Togetter
- TRPGシナリオ作成大全 Vol.5 感想 - Togetter
- TRPGシナリオ作成大全 Vol.6 感想 - Togetter
- 『TRPGシナリオ作成大全 Vol.7』感想 - Togetter
- TRPGシナリオ作成大全 8
今後の展望
冒頭で書いたとおり、在庫がある限りショップさまでの販売は継続いたします。在庫がなくなったら、増刷は今のところ考えていません(前述の在庫問題があるので)。
オリンピック後の復帰については、未定です。参加のペースを落として冬のみ参加、などになるかもしれません。
寄稿がたくさん集まれば復帰しますので、皆様ぜひ、ご寄稿ください(あるいは皆様の周りのマスターをそそのかしてください(笑))。
既刊で比較的手薄だったトピックとしては、
- NPC
- キャンペーン
- サイコロ・フィクション(シノビガミなど)
- F.E.A.R./シーン制
- マスターリングとシナリオ/アドリブ
あたりが挙げられるかと思います。特にこれらに限ったわけではありませんが、このあたりが得意な方がいらっしゃいましたらぜひ、ご寄稿ください。
あるいは『道具箱』のバージョンアップ版というか、『道具箱』以降に進めた考察を取り入れたシナリオ作成講座を出してみたいなという気もします。
どのような形になるか分かりませんが、復帰した際にはまたよろしくおねがいします。