『Aの魔法陣』の楽しさはどこにあるか

一般 kilica 2006/5/14
久々に「GM日記」が更新されていました。相変わらずクオリティ高し。 『Aの魔法陣』についても載っていました。 あの後,いくつかの紹介サイトを見てみました。 「どう遊ぶと面白くなるのかどうもイメージできませんでした」という原因にはいくつかあると思いますが,まず,ルールブックに載っている例が良くなかったんだと思います。「良くなかった」というのは僕向けじゃなかった,と言う意味です。 「Aの魔法陣」で花見というテーマですら遊べるは分かったんですが,「それって面白いの?」というのが根源的な疑問。例を読む限りでは「これは面白そうだ」とは思わなかった。 また,巻末のリプレイも,まあこのサイトを読んでいる人なら容易に想像つくと思いますが,…まああのノリにはついて行けそうにありません(^ ^;)。 ルールブックにも書いてありますとおり,従来のタイプのシナリオを遊ぼうという場合は既存のRPGシステムでやった方がずっと楽しく手軽に遊べると思います。 しかし一方で,熱狂的なファンも多数いるRPGです。強烈に人を惹きつけるだけの魅力が僕に隠れて存在しているはずです。というわけで,いくつかのサイトを回って考えてみました。 TRPGの本質とAの魔法陣(でみのげーむ)
GMの頭の中の状況をPLと共有する事を『共通認識の作成』とし、PLの行動を『行動宣言』という言葉で表すならAの魔法陣は、ただひたすら『共通認識』と『行動宣言』を繰り返すシステムである。
旧来のRPGは,「共通認識の作成」を「システム(ルールや背景設定)を読み込むこと」によって相当程度行えるよう,またそれをプレイヤやマスタに期待してデザインされています。 しかしシステムですべてを記述することは出来ませんし,読み込んだ結果の解釈も人によってズレが生じます。そうしたズレやこぼれ落ちた部分を掬うのがセッションの場でのマスタとプレイヤ間のやりとりであり,それは補完的な役割にすぎませんでした。 一方,「Aの魔法陣」は,このように従来補完的な役割に過ぎなかった部分をゲームの中核に持ってきています(上の引用記事に従えば)。ここが,「人を選ぶ」と言われる最たる部分なのでしょう。つまり,「どこを楽しむか」という層(レイヤ)が,「Aの魔法陣」と旧来のRPGとで異なっているのです。 「共通認識の作成」をセッションの場で築き上げることが楽しい人,あるいは「システムを読み込むこと」を面倒だ,苦手だと思う人は「Aの魔法陣」を楽しく遊べるんだと思います。 一方,「共通認識の作成」をセッションの場で築き上げるなんて面倒なだけだ,あるいは「システムを読み込むこと」が楽しい人は,旧来のRPGを好むでしょう。 この構図は,前に書いた「TRPGの苦労は買ってでもしよう」と同じといえます。 並べると次のようになるでしょうか。
  1. 第1世代…D&D(物理法則に関する共通認識をシステムで提供)
  2. 第2世代…Rune Quest(物理法則と背景設定に関する共通認識をシステムで提供)
  3. 第3世代…FEAR系(物理法則と背景設定と物語に関する共通認識をシステムで提供)
  4. 第4世代(?)…Aの魔法陣(システムでは共通認識を提供しない)
世代が増えるごとにシステムで提供する範囲が増えていましたが,なんと第4世代で反対のベクトルに進みました。 さて,「Aの魔法陣」を同じメンバで遊び続けて,過去の判例という共通認識ができあがってくるとその時どうなるのでしょうか。「共通認識」は飽和状態に近づき,セッションの現場で「共通認識の作成」を行う割合はどんどん低下していく,と言うことが予想されます。「共通認識の作成」を楽しみにしているというのであれば,楽しめる部分は少なくなっていくことになります。 しかし,ひょっとするとそこからが楽しいのかもしれません。ちょうど,いきなり作った9レベルのキャラクタと1レベルから育て上げたキャラクタでは遊んでいるときの感覚が全然違うように。 とはいえ,そういった予感があると言うだけで根拠も実例も何もありませんが。

『Aの魔法陣』

一般 kilica 2006/5/13
Aの魔法陣ルールブック
芝村 裕吏 アルファ・システム
エンターブレイン (2006/05/12)
話題の RPG。300ページ超,1,500円というのは驚きです。 第4世代の設計思想で作られた初めての RPG らしいですが,そのせいかどう遊ぶと面白くなるのかどうもイメージできませんでした(^ ^;。きっと「TRPG プレイヤ 1.0」な人なんでしょう。「TRPG 2.0」的なシステムには付いて行けんかも。

ダヴィンチコード

一般 kilica 2006/5/7
今月はまもなく上映が始まる『ダヴィンチコード』関係の番組(スカパー!の話です)があちこちでやります。 今週はヒストリーチャネルで連日なにかやっているようで,「聖杯」「十字軍」「テンプルコード」あたりを予約。しかし「十字軍」は昔観たやつのような気がひしひしとします。 来週は,National Geographic, Discovery Channel でも特集が予定されています。 今朝は3月初のあたりに録画したヒストリーチャネルの「ペスト」を観ていました。 中世に大流行して後の歴史に大きな影響を与えた黒死病ですが,番組によればそれがイコールペストだとは完全には同定されていないとのことでした。腺ペストというのが一番有力な説で,次いで肺ペストと言う説,そして全く未知の病気だったという可能性も全くないわけではないとか。最近では黒死病で死んだ人の歯を調べてペスト菌のDNAを検出できないか頑張っているらしい。 という知識はともかく,とても中世っぽい映像が素敵でした。Monty Python and the Holy Grail も遜色ないんですが,どっちをほめるべきでしょうか。

Rune Wars

一般 kilica 2006/5/7
しばらく前から,まりおんさんのブログ(と mixi のコミュニティ)で Rune Wars という Hero Wars/Hero Quest をベースとした創作 RPG の開発日記/紹介が掲載されていて,ずっと興味深く見ています。 どんな分担になっているかはっきりは知りませんが,基本コンセプトをまりおんさんが提示して,Vampire.S さんが実装を行っているようです。 ブログの最初の方から追いかけていると,このコンセプト→実装という流れがよく見えますし,しっかり切り分けられているようで見ていて綺麗です。 Vampire.S さんはネット上での露出が少ないのでご存じない方も多いかと思いますが(って僕もよく存じているわけではありませんが),グローランサの同人誌『ジオ亭通信』に寄稿されている方で,物事の本質をわかりやすく見せる,という点で卓越しています。 「メカニズム論に基づくシナリオ作成――V:tM における最初のシナリオ」が数少ないネット上のまとまった文章になるでしょうか。RPG を分析する上で第1級の重要性を持った文章だと思います。未読の方は是非お読みください。 今日になるまですっかり忘れていましたが,『ジオ亭通信 #10』に「ルーンクエストというメカニズム」という題で同じテーマについて書かれていますね。 など,斬新な概念やすっきりとルール化した部分もあって,読んでいるとわくわくしてきます。僕も何か作ってみたくなります。 ところで Rune Quest/Hero Wars/Hero Quest/Rune Wars って,どれがどれだか時々(というかしょっちゅう)ごっちゃになるのは僕だけでしょうか。

All-In-One-Trac

一般 kilica 2006/5/6
プレイヤマップを作っていてだんだん要件の把握が出来なくなってきたので,trac というソフトを入れてみました。 バグの管理と,バージョン管理(Subversion)と,Wiki をまとめたプロジェクト管理用のソフトで,Edgewall Software というスウェーデンの会社が開発し,インタアクトという会社がこれを日本語化してくれています。感謝。 「入れてみました」とさらりと書いていますが,実際には apache のインストール後の設定のあたりで躓いて,「もういいや」と挫折。でももうちょっとだけ,と対処法をネットで検索している内に,"All-In-One-Trac" という,ウィンドウズの通常のソフトと同じようにウィザード形式で apache も subversion も trac も全部まとめてインストールして動くように設定してくれるお手軽パッケージがあったのでそれを利用。こちらも感謝。

『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』

一般 kilica 2006/5/4
ハリー・ポッターと炎のゴブレット 特別版
ワーナー・ホーム・ビデオ (2006/04/21)
ハリーポッターの4作目。ふつうに面白いです。 ドラゴンの飛行の「機動性」が「貧弱」なのをちゃんと表現していますね。「ホバリング」も「旋回」もやってきません。 「アラストール」ってどこかで聞いた名前だなあと思っていましたが,新任の「闇の魔術に対する防衛術」の先生の名前でしたね。 ダンブルドア校長は,その判断のパタンが黄門様を彷彿とさせます。

Travian

一般 kilica 2006/5/3
GWに入って Travian という MMO(?)を始めてみました。 MMO をやるのは実は初めて。 SimCity(Village) + カタンといった感じで,自分の村を大きくしていくゲームです。 Travian こんな感じの画面で,ぐっとくるものがありますが,建物はいろいろあるけど村の基本的な地形はどれも一緒みたい。残念です。 あと,最初の選択で,Roman, Teutons, Gauls の3つの民族から選べますが,建物なんかのグラフィックは変わらず,戦闘時のパラメタが変わるだけみたいです。 ちょっとやってやめようと思ったのですが,そのスーパーのんびりな展開が気に入りました(笑)。 実時間で数時間経たないと収入がないので,プログラミングをして疲れた合間や,出かけて帰ってきたとき,ライトノベルを1冊読んだ後くらいに「さて,次はどこを開発しよう」と次の一手を打つ,くらいのペースです。社会人向けで,暇な学生だとたぶんじれったくてやってられないでしょうね。

CSSデザイン

一般 kilica 2006/5/2
プレイヤマップ基本部分のロジックがだいたいできたので,いよいよ CSS を使った表示部分に取り掛かります。というわけで参考書。 これは前にも取り上げたような気がします。入門書。単なるCSSの解説ではなく,「使い方」を手取り足取り教えてくれます。 こっちは上級者向け。まだ眺めているだけです。 Web Designing というウェブデザイナ向けの月刊誌に連載されている "CSS Analysis" をまとめた本で,連載では毎月,CSS を駆使してプロが作ったサイトを取り上げ,どのように CSS が組まれているかを細かに解説しています。 ついでにソフトウェアの紹介。 「測ルンです」 デスクトップ上で使える定規です。CSS のボックスの数値を決めるにあたって,mixi や Yahoo がどれくらい設定にしているかを測るのに使いました。 Google Maps の道のりを測るのにも使えるようです。 本当はこのサイトもどうにかしたいんですが,まあ読めるし後でいっか。

Campaign Cartographer 3

一般 kilica 2006/4/30
TRPG用マップ作成ソフト Campaign Cartographer の次期バージョンがもうすぐ出るようです。 どうも変更点を見ていると,マップのシンボルを一新したのがその中心にあるようですが,それよりも,「いまどきウェブアプリケーションでももうちょっとマシ」な操作性をどうにかしてほしいんですが,サンプルの画面を見るとその実現は怪しい…。 シンボルも,リアルな感じになっているのですが,ことTRPG用の地図ということで言えば,リアルなのが必ずしも良いわけではないのが難しいところです。Dundjinni の影響なのかもしれませんが,中途半端にリアルになってしまっている気がしないでもありません。 とまあ不安はありますが,よく使うソフトなので久々のメジャバージョンアップには期待しています。

Arms Law & Claw Law

一般 kilica 2006/4/29
久々にロールマスターをやることになって ICE のサイトをのぞきに行ったら Arms Law & Claw Law の PDF ダウンロード販売があって,早速購入($8)。 これでルールブックを抱えてコンビニのコピー機まで走らなくても良くなりました。良い時代になりました。

『秘術大全』

一般 kilica 2006/4/29
ダンジョンズ&ドラゴンズ秘術大全
リチャード・ベイカー 桂 令夫
ホビージャパン (2006/04/29)
D&D 3.5e のサプリメントで,秘術系(ウィザードやソーサラ)の追加特技,呪文,上級クラスなどが満載。

『図解 メイド』

一般 kilica 2006/4/29
図解 メイド
図解 メイド
posted with amazlet on 06.04.29
池上 良太
新紀元社 (2006/04/25)
新紀元社の図解シリーズ第5弾はメイド本です。 世界各国,あらゆる時代のメイドさんが艶やかな姿で大集合,という本ではなく,ヴィクトリア時代のメイドと社会について見開きで簡潔にまとめた資料本です。 参考文献には,『エマ・ヴィクトリアンガイド』ほか,同人誌『ヴィクトリア朝の暮らし 貴族と使用人(一)?(三)』なども載っているのにはちょっとびっくり。なかなか手に入らないんですが。

Google 動向(3) Goole Maps Europe

一般 kilica 2006/4/29
新機能ではありませんが,今までイギリスとトリノをのぞいて白地図だった Google Maps のヨーロッパ地域が,西ヨーロッパを中心に埋まりました。 これで,イタリア旅行で訪れた場所を地図上にマッピングしていけるわけです。だいぶ忘れちゃったけど。

Google 動向(2) Goole SketchUp

一般 kilica 2006/4/29
Google がちょっと前に買収した会社 @Last Softwares が出していた 3Dモデリングソフトで,元々数万円で売っていたんですが,これが無料でダウンロードできるようになりました。 むかし僕も試用版をダウンロードして使ってみたんですが,面白いとは思ったものの,流石に高くて買う気にはなれませんでした。あとどうも 3D はいまいちだめで,やっぱり2次元が良いです(笑)。知能テストもだめだし。 このソフトの面白いところはその操作性で,つまんで引っ張ったり押してへこませて造形していきます。粘土細工みたいな感じです。 Google としては,このソフトと Google Earth を連携させる(このソフトで作った建物などを Google Earth 上でひょうじさせる),というのが目論見のようです(無料版は Google Earth のファイル形式でないと保存できないらしい)。 早速ダウンロードして動かしてみましたが,OpenGL がらみのエラーで起動しませんでした(T_T)。 いい加減グラフィックカードをまともなやつに換えないとだめかなあ。 今のところ無料で使えるのは Windows 版のみですが,近々 Mac 版も出るみたいなのでそれを待ちますか。

Google 動向(1) Google Calendar

一般 kilica 2006/4/28
しばらく多忙でぐでーっとしていましたが,GWはふつうに休めることになりました。 そんな中,Google が次々と面白そうなものを出してきましたね。 1年くらい前まではフリーウェアやシェアウェアのデスクトップアプリケーションをいろいろ見ていたのですが,最近はもっぱらウェブサービスに目がいって,デスクトップアプリケーションへの興味が薄れたなあと感じています。 最初に発表があったのが,Google Calendar で,複数のPCを使っているとやはりウェブ上のカレンダは便利です。 とはいえ,最初の発表のときは,ああ,便利そうだなあ,くらいの感想だったのですが,1週間ほどたって Google Calendar API が公開されて,「おお,面白そう」に変わりました。「プレイヤマップ」にうまく取り込めると良いですね。とはいえ,どういった形で連携すると良さそうかまだ思い浮かびません。 この API と一緒に出てきた GData(Google Data APIs) も,Google Account Authentication も Calendar そのものと同じくらい面白そうです(今後の発展が)。

ソードゲイル

一般 kilica 2006/4/18
ソードゲイル 1 (1)
ソードゲイル 1 (1)
posted with amazlet on 06.04.18
佐藤 信
講談社 (2006/04/17)
中世風の架空世界を舞台にした漫画ですが,珍しく魔法が出てきません(少なくとも今のところ)。 表紙とタイトルを見たときは大して期待していなかったのですが,なかなかです。町の様子の描写が特にいいです(あまり出てきませんが…)。

次世代のテクノロジー(11)

一般 kilica 2006/4/2
トヨタのコンセプトカー 14-18歳の青年の意見を元に作成したコンセプトカーを紹介。 使い捨てビデオカメラ ゴミ箱 投入されたゴミを1/8程度に圧縮。いっぱいになると収集センタに無線で通知。 動力は太陽光で,充電した状態から4週間日照がなくても大丈夫だそうな。 4500$。 カーシーカー 車を駐車場のどこに止めたかを示してくれるんですが・・・アイディア勝負のローテク商品。コンパスに目印を付けておくだけです(笑)。 セグウェイ2005 オフロード仕様のセグウェイや4輪のセグウェイの紹介。4輪は時速 40kmくらい出るそう。 モータスポーツとして遊ぶと面白そうです。

スパムメール対策

一般 kilica 2006/4/1
舞波デコヒーレンス う?ん,あたまいい。 2つのアドレスに届く時間に差があるとうまくいかないけど,それをクリアすればうまくいくのかな?。

『ヴァイキング時代』

一般 kilica 2006/4/1
ヴァイキング時代―諸文明の起源〈9〉
角谷 英則
京都大学学術出版会 (2006/03)
ヴァイキング研究の入門書。学説史を概観するところから始まるあたり,一般向けよりやや専門的ですが,文章が平易で面白いので読みこなすのは難しくありません。 ところで「諸文明の起源」というシリーズの9巻らしいのですが,他の巻がどんなタイトルなのかどこにも載っていないあたり大学の出版物っぽいと言うか商売っ気がありませんね。

『ヨーロッパ中世の修道院文化』

一般 kilica 2006/4/1
ヨーロッパ中世の修道院文化
杉崎 泰一郎
日本放送出版協会 (2006/03)
NHK ラジオ第2放送で4月から始まるみたいですが,もちろん内容は一般向け。でもマイナな分野なのでそういった入門向けの情報からしてあまり無いので貴重です。