ヴィンランド・サガ

一般 kilica 2005/7/10
少年マガジンでわりと最近連載が始まったヴァイキング漫画で,RPGな人の間でも人気が出ています。とくにRQ好きな人が良く取り上げているようにみえます。 もうじき第1巻が発売になります。 丹念に出来事を描いており,何かというと気合と根性で敵を倒してしまう展開になりがちな他の少年漫画とは一線を画しています。 かく言う僕もお気に入りで,(今のところ)『ベルセルク』の「蝕」前の面白さに通じるものがあるのかな,と感じます。 ヴァイキングについての資料として,まりおんさんが『カラーイラスト 世界の生活史 ヴァイキング』を挙げられています。このシリーズは中世のあたりのを5冊ほど持っているのですが,ヴァイキングの巻は持っていません。持っている巻を見るに,当時の生活のイメージを得るのに最良の資料の一つと言えると思います。 というわけで復刊.com の投票はこちら。  → 『カラーイラスト 世界の生活史』復刊運動 同じような傾向の書籍で,Newtonムックの『バイキングとアングロサクソン』というのもあるんですが,こっちも現在絶版の模様。amazon.co.jp で中古が1冊出ているくらい。 やはり落ち着いた感じのイラストで当時の生活を描き出しており,それが何というか物語を感じさせる絵になっています。ああ,ルーンクエストやりたいなあ,と(笑)。

Paranoia Xp Action Card

一般 kilica 2005/7/10
月末くらいに PARANOIA Xp のマスタをやるという事でルールブックを読んでいます。 D&D に比べると英語がかなり難しい(^ ^;。 セッションのお助けアイテムとして,Action Card という小道具を作ってみました。 こういうのを考えたりするのは好きです。今回のは役に立つか,お笑いアイテムになってしまうか微妙。後者になった場合は「R&Dが作った」という事にしておけばいいか。 最近『リベリオン』という近未来アクション映画をスカパーで放映していて観たんですが,見事に Alpha Complex 的な社会が面白かった。というか他に見所はなかった(^ ^;。 Alpha Complex では幸福は義務で,この義務に違反すると処刑されてしまいます。これはブラックユーモアを狙った設定なんですが,まじめに作ったっぽい『リベリオン』では感情を持つと反逆で,これに違反するとやっぱり処刑されてしまいます(感情によって悲惨な世界大戦がもたらされたため,二度と戦争を起こさないため感情を抑圧する法律が定められた,という設定)。 そのディストピアを壊そうとする反乱分子がいる点も,義務を守るために薬が使われるという点も一緒です。

[イタリア旅行] 本

一般 kilica 2005/7/9
僕は本が好きなので,イタリアでも時々本屋に入って眺めたりしていました。 ローマやフィレンツェには本屋がところどころにあって,3フロアを占める結構大きなところもあったりします。やはり美術書が目立っていたような気がします。 あと,日本と同じくファンタジィ系の本も今は結構出ているようで,ハリポタや指輪物語,それらの映画のヒットにつられて出てきた作品,それからD&D系(フォーゴトンレルムやドラゴンランス)も並んでいました。 RPGのルールブックはさすがにあまり並んでいないようで,レジの奥のほうに GURPS Grimoir を見かけた程度。 ローマの共和国広場にはアウトレット(?)や古本が並んだ古書店があって,面白かったです。日本のコミックが並んでいるところもありました。 \"古書店\" 【写真】共和国広場付近の古書店 ここで(ローマとは関係がやや薄いですが)パピルス(5EUR)と,5EURで叩き売られていたボッシュの画集を購入。お買い得だったのですが,エンカンブランスはかなり上がりました。旅の最初に買ったのはまずかったのですが,いつ売れちゃうか分かりませんからね(^ ^;。 \"パピルス\" 【写真】パピルス

New Rune Quest by Mongoose Pub.

一般 kilica 2005/7/6
瞬く間にあちこちで取り上げられた Mongoose Publishing による Rune Quest ですが,TRPG バトンで書いたとおり元々 BRP の方に関心があったので,BRP をベースにしたものになるといいなあと思っています(同じテイストのものなら別システムでもいいですが)。 Mongoose Rune Quest についてはこのあたりを参照。 [RQ] New edition from Mongoose Glorantha.com 更新1(「ルーンクエスト」の復活) Mongoose Publishing といえば,実は Paranoia xp も出していまして,こちらは今度マスタをやることになったのでルールブックを読んでる途中だったりします。 この出来がなかなかいいので,Rune Quest の方も期待。 内容は相変わらず愚かなんですが,xp では反逆者の告発がルール化されていて個人的にはうれしい。戦闘と同じステップを踏んで「告発」を進めてゆき,最終的にどれくらいコンピュータの不興を買ったか(ダメージを受けたか)を決め,それによってどんな処置がとられるかが決まるようになっています。 軽ければ罰金や罰ゲームみたいなのを食らって済みますが,重いと薬物療法,洗脳,処刑,クローン抹消(!)などに至ります。 でもって何をするとどれくらいヤバイかも一通り書かれていて,5版のときはイマイチそのあたりの判別がつかなかったのでたいへん参考になります。

[イタリア旅行] 車

一般 kilica 2005/7/5
\"共和国広場付近\" 【写真】ローマの共和国広場付近  イタリアは古い町並みを残しているところが多いため,道が狭く市街地ではあまり車は走っていません。  ローマはさすがに例外ですが,ここでも車道の多くは一方通行で非常に走りにくそうでした。  そんな事情もあってか,バイクの数が非常に多かった。  日本から来た,と言うと,「スズキ」と言ってきたので何のことかなと思っていましたがその後で「ホンダ」と続けてきたので「ああ,バイクのことか」と分かりました。 \"ルッカのバイク\" 【写真】ルッカのバイク。暴走族みたいに音を立てて集団で走っていましたが,これはこの日行われていたお祭りの一部だったみたい。皆さん行儀よくヘルメットをかぶっていましたし,「Staff」の文字の入ったユニフォームをつけた人も混じっていたり。  日本車は,時々見かける程度です。ローマでは日産(マーチとか)をわりと多くみかけました。フィレンツェは yaris(ヴィッツ)が多かったかな。  市街地では,日本のような立体駐車場や屋外の駐車場のようなものは見かけず,ローマでは至る所にびっしり路駐。白線で区切られているので,駐車スペースとして確保されているようです。  あとはたぶん建物の中庭に停めているんでしょうね。 \"コロッセオへの道\" 【写真】コロッセオに向かう道

TRPG バトン

一般 kilica 2005/7/3
いろとさんから回ってきたバトンです。

◆所有しているTRPGの数

えーたくさん。

◆最近お気に入りのTRPG

D&D 3e/3.5e

◆思い入れのあるTRPGを5タイトル

1)D&D 3e/3.5e あらゆる面でハイレベル。 ルールブックは分厚いのですが,「再現できること/ルール量」で考えると他の追随を許さないと思います。さすが M:tG を出した会社だけあって,統一感のあるルールに仕上がっています。 また,マスタをサポートするデータやチャートが抜群に充実しており,セッション準備に関して言えば他のRPGに比べて格段に楽です。 2)深淵 他のタイトルはいずれもシステム面に惹かれたものですが,『深淵』はほぼ唯一,背景設定に惹かれました。 システム面でも素晴らしいルール(運命,夢歩きなど)が多く,しかも明確なデザインコンセプトに沿ってそれらが組み込まれ,背景世界とも相まってオーケストラのようにセッションの中で機能していくのはすごいと感じます。 唯一,戦闘や魔法などの(周辺部分の)ルールがちょっとごちゃごちゃしすぎているように感じます。 3)ルーンクエスト 根幹の部分はそっけないシステムで,実際,背景設定のグローランサに注目が集まりがちですが,僕はシステムの方に興味を覚えました。 その素っ気無さが功を奏し,他のシステムに比べてカリカチャライズされている割合が低く,現実に近い感覚でプレイできるのが魅力なんだろうと思います。 4)ロールマスター サイコロを振っているだけで面白いゲームです。サイコロ(痛打表)を振る瞬間のわくわく感は一番。 5)Beyond/Far Roads to Lord Ars Magica を入れたいところですが,実際に遊んだことが数回しかないため,こっちにします。Bローズって書くと今はブルーローズを指してしまうのかな。 Ars Magica の魔法が学問的な性格を強く持っているのに対し,ローズシリーズはおとぎ噺に出てくるような,法則では割り切れなさそうな魔法を実に見事に再現しています。目指す方向性が違うので単純に比較はできませんが,魔法のルールとしてはこちらの方がずっと面白い。

◆気になる発売予定タイトル

  • 深淵2版
  • D&D4版(いつだ?)

◆バトンを渡す相手

いろいろなバトンが回ってて誰がどれを回答しているのか把握し切れていません(^ ^;。バトンを渡しますので,よろしければどんなRPGに興味を持っているか教えてくださいませ。

about "TRPG(中略)プリキュアを憎む理由(2.0)"

一般 kilica 2005/7/1
「D16 の日記」に掲載されていた「TRPG(中略)プリキュアを憎む理由(2.0)」について。 まったく同感です(プリキュアの部分でなくてキャンペーンの部分ね。プリキュアは観ていないのでノーコメント)。
 シリーズ構成も、伏線も、キャラクターの複雑な過去も、思わせぶりなライバルキャラも、PC同士の絡みも何もかも。    必要ない。
これだけ読むとちょっと誤解されそうなので,必ずリンク先の元の文章も読んでくださいね。 実に分かりやすくキャンペーンの魅力を言い当てていると思います。 「補足」「補足さらに」に書かれていることもさりげなく重要なポイントですね。

[イタリア旅行] 水

一般 kilica 2005/7/1
\"イタリアの水\" 【写真】イタリアでよく見かけた Aqua Minerale のペットボトル  イタリアで一番苦労(ってほどでもないが)したのが水でした。  ご存知の通り日本と違ってただで飲めるわけではなく,Aqua Minerale(ミネラルウォータ)を買わなければなりません。  これはレストランでも一緒で,注文すると 500ml ペットボトルが出てきます。  まあ金を払えば良いだけなのですが,じゃあ何に苦労するかと言うと買う場所によってぜんぜん値段が違うところに苦労しました。  たぶんイタリア人は 0.6EUR(80-90円くらい)あたりのを買っているんだと思うのですが,ヴァチカンやコロッセオなどの観光スポットで売っているのは 2EUR することが多い。その辺の街中だと 1EUR(140円)とか。  一番高かったのはヴァチカンのあたりのバール(軽食の店)で売っていた 3EUR。一番安かったのはピサの Santa Croce というホテルの自販機で売っていた 0.5EUR でした。 ちなみに日本と逆で,ホテルの部屋に備え付けの冷蔵庫は中のものに手を出しても料金はかからないのではないかと思います。  「相場は 2EUR」と思っていればいいのですが,「安けりゃ 0.6 EUR」って知っていますので,「2EUR も出せるかこのヤロー」と我慢してもっと安いのを探します。しかし5月の日差しは容赦なく照りつけ,「ああ,2EUR でもあの時買っときゃ良かった」とフォロロマーノの遺跡の中を歩き続け,結局くたくたになって遺跡を抜けたところで 2EUR 出して「まいどありー」って感じです。  なお,イタリアでミネラルウォータというと,「ガス入り(Con Gas)」と「ガスなし」があって,「ガス入り」は炭酸水になっています。一度,\"Non Gas\" と言ったつもりが \"Con Gas\" ととられて炭酸入りが出てきたことが(^ ^;  そんなわけでソウルの食堂で自由に水が飲めるようになっているのを見たとき,「ああ,同じ文化のところに帰ってきたなあ」としみじみ思いました。 \"ソウル空港にて\" 【写真】ソウルでは自由に水が飲める。

[イタリア旅行] 飛行機

一般 kilica 2005/6/29
 今回は,往復とも Korean Air。別に航空会社にこだわりはなく,単にこれしかチケットがなかったからです。  チケットの手配をしたのが3月後半だったため,もう残っていなかったのです。今回は,さくっとキャンセルが出たので取れたのですが,一歩間違えれば「また来年」となっていた可能性もありました(^ ^;。 \"飛行機の窓から\"  さて,KOREAN Air,思っていたよりずっとサービスが良かったです。  所詮エコノミなのでどこでサービスがつくかと言うと「機内食」となります。  去年ハワイに行ったときに使ったJALが惨憺たるメニュだったため期待していなかった,というか不安だったのですが,なかなかの内容でした。  もちろん機内食なのでふだんの食事と比べれば落ちますが,十分合格。

往路

名古屋→ソウル:寿司 ソウル→ローマ:焼肉/ビビンバ

復路

ローマ→ソウル:オムレツ/焼肉&マカロニ,トマトとモッツァレラチーズ ソウル→名古屋:ちらし寿司 \"機内食\"

イタリア旅行記

一般 kilica 2005/6/28
今年のGW(2005.04.27?2005.05.05),Regulus さんとイタリアへ行ってきました。 僕にしては珍しく写真もいっぱい撮ってきたし見てきたことを徒然なるままにご紹介いたします。 「徒然なるままに」といったとおり,この blog では時系列ではなくテーマ別に書いていきます。 ちにみに mixi で書いた内容とほぼ同じですので,既に読んだ方は改めて読む必要は薄いでしょう。 旅行の概略はだいたい以下の通り。 04.27:日本発(セントレア)→ソウル→ローマ 04.28:ローマ(ヴァチカン,ポポロ広場,スペイン広場) 04.29:ローマ(コロッセオ,フォロ=ロマーノ,パンテオン,ナヴォーナ広場) 04.30:ローマ → ルッカ → ピサ 05.01:ピサ → フィレンツェ 05.02:フィレンツェ(中央広場,リカルディ宮,ドゥオモ,ヴェッキオ橋,サンタ=クローチェ教会) 05.03:フィレンツェ(ヴェッキオ宮,ピッティ宮,サン=マルコ美術館,サンタ=マリア=ノヴェッラ教会) 05.04:フィレンツェ → ローマ → ソウル → セントレア(05.05)

GMのやりがい

一般 kilica 2005/6/24
Deck of Many Things でも取り上げられていますが,TRPG.NET の TRPG 総合研究室で Purple さんが「そもそも、デザイナーが全責任を負うRPGは存在価値があるの?」という投稿をされていて,今まであまり意識しませんでしたが言われてみればそのとおりだなあと。
 セッションの面白さが、ゲームマスターが作るシナリオ・ゲームマスターのマスタリングによらないRPGができたとして・・・、はたして、ゲームマスターがそのようなRPGを遊ぶのか、はなはだ疑問です。    ゲームは、「難しい」から面白いのです。    ゲームマスターが何の努力もせずとも、プレイヤーを楽しませることができるとしたら、ゲームマスターとしては、面白くないです。  「プレイヤーを楽しませているのは、自分の力ではなく、ゲームの力なんだなぁ」  っておもったら、ヤル気がおきません。そうなると、ゲームマスターがそのようなRPGをマスターしなくなりますので、遊んでもらえなくなります。
同掲示板では理解不能な論法を振り回す人が若干名いてそろそろ読むのもやめようかと思っていた矢先だったのでぎりぎり間に合ったという感じ。 その後で巡回した Deck of Many Things でも同様の感想が述べられていたので,鋭い指摘と感じたのは僕だけじゃなかった模様。 現実には GM には余計な仕事がたくさん引っ付いているので,そういう意味でもっと簡単になるべきなのですが,サポートすべきところと残しておくところとはちゃんと見極めないといけない。

PC Gen on Tiger

一般 kilica 2005/6/24
Tiger(Mac OS X 10.4)にしてあれこれ不具合が起きたという話を聞いていたのですが,あまり考えずにインストール。 目立った不具合はありませんが,D&D のキャラクタを管理しているソフト,PC Gen が起動しなくなりました。 とりあえず放って置いたのですが,予想より早くレベルアップしたので使う必要が出てきました。 PC Gen を最新版にしてもやっぱり動かないので,Windows 版で代用。 Windows 版は UI がみすぼらしいのでしばらく使っていなかったのですが,処理速度がだいぶんアップしたように感じます。タブの切り替えなども一般のアプリと変わらないくらいに。

奇怪動物百科

一般 kilica 2005/6/24
三洋堂で見かけて購入。想像上の生き物や現実の生き物に妄想が加わって伝えられたものを挿絵付きで紹介しています。 アルスマギカ向けかな。

少林サッカー

一般 kilica 2005/6/24
AXN でやっていたので観ました(今頃)。 ちょっと中途半端かな,というのが全体的な感想。ところどころ笑えます。 オープニングは「これから愚かな映画が始まります」という感じがよく出ていて秀逸。

RPGにおける真剣勝負

一般 kilica 2005/6/20
白河堂さんの『神饌喰い。』の「Scoops RPG掲示板にて」のコメントより。
RPGの戦闘が面白いこと、建前はどうあれ現実問題としてRPGが戦闘メインのゲームとして遊ばれることが多いのは否定できない事実だと思うのですが、「バトルゲーム」と言い切ってしまうには、カードゲームとか対戦格闘ゲームに比べると競技性が低いことは否めないと思うのです。マスターの裁量に任されている部分が大きく、レギュレーションが不明確で、突き詰めていくと結局、RPGの戦闘って「片八百長」だよね?、というところに行ってしまう。
納得できる部分もあり,なかなか興味深い指摘ですが,そもそも GM vs パーティ を目指しているわけではないので,「片八百長」というのはちょっと変かな。 例えば跳び箱は跳ぶ人に応じて段を変えることができるようになっていますが,5段をかろうじて跳べるかどうかって人に「この跳び箱は10段まで増やせる。5段を跳んで喜んでいるのは八百長だ」というのは言葉として適切ではない,というのと同じ意味で適切ではないと思います。 その人にとっては5段であっても十分に挑戦しがいのあることであり,楽しめるからです(僕は跳び箱大嫌いでしたが(^ ^;)。 これが「二人でどっちが高い段を飛べるか」という競争だと話は違ってきますが。また,「5段はやっぱり無理そうだから4段に下げてとにかく跳べるようにしよう」とするとまた話は違ってくると思います。 もうちょっと例を挙げると,パズルは一般に解けるように作ってありますが,だからといってそれを八百長と呼ぶのは不適切だと思います。 でもって RPG のゲーム性ですが,M:tG をはじめとするカードゲームやボードゲームが持っている競技性に起因するのではなく,「いかにこのプロジェクトを成し遂げるか」とか「如何にロシアとの二カ国間協議で日本の主張を通すか」といったビジネスや政治の世界の課題解決に類似性があるとみています。 競争相手をおいて競技にするというのは真剣勝負をさせるための手っ取り早く確実性の高い手段ですが,競争相手がいないからといって真剣勝負にならないわけではありません。 ただおぞんさんの指摘も現実には当たっている部分があり,マスタの中にはあからさまに手加減していると分かるような運用をする方もいて,そういったプレイを多く経験していると「RPG は八百長」とか「出来レース」といった評価を下すようになっても仕方ないことです。 困ったことに,マスタが手を抜く運用に走るのには無理ない部分もあって,「”失敗”できるシナリオ」で指摘している問題が絡んでいます。

about ”「キャラクタープレイング論」その3 「物語の中のキャラクター」”(2)

一般 kilica 2005/6/18
引き続き,仮想光線さんの”「キャラクタープレイング論」その3”について。 原文などについては一つ前のトピックをご参照ください。 仮想光線さんはこの研究日誌をいちおうチェックされているようで,前回僕が出した疑問について丁寧に回答してくれています。できれば元記事に対するリンクも付けていただきたいのですが(^ ^;。
> 今のところ,キャラクタが魅力的であるための要素や条件についてはまとまった提示がない。 とのご指摘を受けました。なるほど、私の論はここら辺が十分に煮詰まっていません。
これはだいたい予想通り。本来仮想光線さんの主張に欠かせない重要なポイントのはずですが,それをずばり取り出して見せるというのは生半可な能力では無理ですからね。僕もそういったことはできませんし。 おそらく仮想光線さんの中には「魅力的なキャラクタとして成立する条件」が確固としてあるんだけど理解しやすいよう整理されていないという事だと思います。それは今後の投稿の中で断片的に明らかになっていくと思いますので,それを手がかりに再構築していく,というアプローチになるんでしょう。 たぶん前回の僕の日誌の中では判りにくかったと思いますので(読み直してそう思った),補足しておきますと,僕が知りたいのは「プレイヤはどこをがんばれば”魅力的なキャラクタ”になるのか」ということです。 ぱっと思いつくところですと,
  1. キャラクタを作成するときにがんばる
  2. プレイ中にがんばる
  3. どっちも同じくらいがんばる
という三つの方針があります。 例えば作成を重視するというのであれば,プレイロールドキャラクタはよろしくないとか平凡な設定ではつまらないからユニークなキャラクタを作れるようシステム側で工夫されているのが望ましいとかいった結論が演繹的に導き出せるわけです(挙げたのはあくまでも例なのでそこには突っ込まないでね)。

about "「キャラクタープレイング論」その3"

一般 kilica 2005/6/18
仮想光線さんが Scoops RPG にキャラクタープレイング論の第3弾を投稿していました。
Scoops RPG 「読者の声」の原文へのリンク 「キャラクタープレイング論」その1 「キャラクタープレイング論」その2 「キャラクタープレイング論」その3 「物語の中のキャラクター」 前回の感想 Re:「キャラクタープレイング論」その1 Re:「キャラクタープレイング論」その1(続き) Re: 「キャラクタープレイング論」その2
今回,前半はキャラクタの特徴,とりわけ性格について。後半はキャラクタをどう表現するか,そのテクニックについて,という感じ。 GURPS のキャラクタ作成システムは「物語創造」に向いていない,というのが前半のハイライトで,なるほど,その通りですが,改めて考えてみると元々 GURPS ってそういう設計じゃないので向いていないのも当然。なのでそれをもって「失敗」とするのはちょっとかわいそうかな。 僕が思うに「人物シミュレータ」でもない。もし「人物シミュレータ」を目指してデザインしたとすれば,「不利な特徴」なんてあまりにも偏っている。 ゲーム上の制約をプレイヤ側からデザインできるようにしたのが GURPS のキャラクタ作成システムで,つまりゲーム性を高めるための仕掛けの一つです。 Pendragon の Trait はプレイヤに訴えかけてくるものがとても強いというのは同感。1回しか遊んだことがありませんがとても良いシステムだと思います。 「PLが平等と言うこと」と名づけられた節は短いですが興味深く,当初僕が想定していたよりも仮想光線さんはラディカルに「物語創造」を考えているようだ,と思いました(節のタイトルは「PL」ではなく「PC」の間違いっぽいですが)。 問題は「プレイヤに対して平等」についてどう考えるか,という点です。大半のシステムでキャラクタの強さが平等になっているのは,戦闘シミュレーション云々は本質的には関係なく(PC が,ではなく)プレイヤが活躍できる機会を平等に与えるための措置です。 物語という観点からみると,PC の強さが平等というのは何の意味もない,というのはその通りだと思いますが,じゃあ,と PC の強さをばらばらにすると,弱い PC を割り当てられたプレイヤは一般に不満を持つわけで,「PC の強さはばらばらにすべき」と主張するのであればこの不満を解消する方法を提示することが必要です。 方向性としてはたぶん二つで,一つは「PCの強さ」と「セッションで活躍できる度合い」の相関を無くすようなシステムにすること。 漫画や小説などのフィクションでは(少なくとも最初は)何の力もない少年が主役を張っていたりします。ただそのシステムをRPGに落とし込もうとすると簡単ではありませんが,既に『深淵』がその実現にかなり成功していると評価しています。 もう一つは「活躍できる度合いが違う」ことで生じる不満を消し飛ばすような別の大きな満足をプレイヤに与えることです。 仮想光線さんの回答はたぶん「物語創造」がそれだ,ということになり,それは正しいと思いますが,その価値観を具体的にどうプレイヤに浸透させるか,を詰めないと絵に描いた餅になってしまうと思います。

FEARのRPGを受け付けないわけ

一般 kilica 2005/6/13
唐突ですが僕は FEAR 系の RPG が嫌いです。え,知ってるって? システムそのものはまあ良いというか NOVA などはトップクラスに入る出来の良いシステムだと思っているのですが,システムが想定している標準的な遊び方というか哲学が嫌いなのです。D&D で言えばダンジョンシナリオが嫌い,みたいなもの。 なので FEAR の RPG が「あんなのダメ」とか「クズ」とか言うんじゃなくって「嫌い」です。 それはなぜかというと,おそらく僕が RPG において疑似体験的な指向をかなり強く持っているからだと分析しています。 当然,疑似体験を妨げるような要素は極力排除したいと考えており,その阻害要因の最たるものが FEAR 系の RPG に付き物の「プレイヤの視点でセッションを進める」という考え方です。 そうではなくって「キャラクタの視点でセッションを進める」というのが僕のやりたい RPG です。 例えば,「登場判定」というのは「プレイヤの視点でセッションを進める」典型といえます。PC がその場面に登場する必然性に欠けるのであれば登場すべきではないし必然性があるなら判定なんていらないでしょう。 僕から見ると無理やり理屈をこねて登場させてもその時点で面白くなくなっちゃうんです。現実味を失って白けてしまう。 「登場判定」については「シーンに登場できなくってうだうだしているよりはまし」という「必要悪」としてならまだ受け入れないでもないですが(まあうだうだしている方がまし,というセッションも中にはある),「お話として面白くなる」とかいう理由でなされるものは拒否度がさらに高くなります。 「ご都合主義」とか「お約束」が大嫌いなのです。正確に言うと,「お約束だから」とか「こっちの方が話が面白くなるから」という理由で行動したり話を進めたりするのが嫌いなのです。 「こっちの方が話が面白くなる」なんてほとんどはその人の幻想で,単に「話を台無しにしている」だけです。 なので「結果的にお約束な展開になったね」ならまったくOK。 またハンドアウトで「セッションが進む中でヒロインと仲良くなる」という指示が書いてあったりするそうですが,これも受け付けられません。 ヒロインと仲良くなるかどうかはどんな出会いをしてどんな言動をするかをキャラクタの視点から観察して「ああ,これならこの PC は好感を持ちそうだ」と感じれば仲良くなるでしょうし「いけ好かないやつ」と感じれば無理に仲良くしたいと思いません。 無理に仲良く振舞ってもプレイヤにとってメリットがありません。「仲良くなる」という指示があるという事はきっと後でマスタがイベントシーンでも用意しているんでしょうが,無理に「仲良く」なってイベントが発生してそれでプレイヤは感動(というと大げさですが)できるんでしょうか? 形をなぞっているだけでそれって形骸化しているとしか僕には思えません。 似ているように思うかもしれませんが,「PC は既にヒロインと仲良くなっている」とか「PC はこれこれこういう女性がもろストライクゾーンだ」という設定であれば受け入れられます(あんまりな設定でなければね)。 「これこれこういう女性」がヒロインとして現れればたぶん仲良くなるでしょう。それが自然でありキャラクタにふさわしいと思うからです。 以上のように疑似体験を阻害する「プレイヤの視点からセッションを進める」スタイルは嫌いなのですが,一方で僕は現実主義者なので常にメリットとデメリットを天秤にかけます。上のような理想に反していたとしても,その理想をとるデメリットの方が大きければ妥協することもあります。依頼を引き受けないとその日暇になっちゃうとか……。 なので「必要悪」としてなら受け入れる準備があるのですが,FEAR の RPG はそうではなくって僕の嫌がるようなスタイルを積極的に推し進めているので嫌いなんですよねえ。相性が最悪です。

ボードゲームキングダム vol.2

一般 kilica 2005/6/12
\"ボードゲームキングダム  半年振りくらいに出ました。ここ1年くらいに新たに発売になったボードゲームを50作品ほど取り上げています。いつもどおりフルカラーで綺麗なボードや駒の写真がたくさん入っていてあれこれ買いたくなります。  この雑誌(?)を買うまで,ボードゲームの新作がこんなにたくさん出ているものとは知りませんでした。年に数作かと思ってた(^ ^;。  中には明らかに奇をてらっているというのもあるんですが,それにしてもそのテーマの多様性は RPG の比じゃありません。その何でもゲームにしちゃおうという貪欲さが RPG にももうちょっとあってもいいような気がします。  いい本ではあるんですが 3,500 円はちょっと高いなあ。

プレイヤのシナリオ

一般 kilica 2005/6/11
コンピュータの処理性能の向上によって最近では地球規模の減少をモデル化しシミュレートするという事も可能になってきましたが,依然として長期的な未来を予測することは不可能です。 昨年,環境・健康・社会などの専門家が集まり,どの問題を優先的に解決するべきかを話し合い「コペンハーゲン合意」というものを発表したそうですが,その中でも結局は,問題も対処法もはっきりしている課題(飢餓や HIV,マラリア)から順番に片付けていこう,という結論に。 これは,将来のことについては不確定な事柄が多すぎるため当然ともいえます。例えば地球温暖化についても,数十年後には化石燃料資源の枯渇によって温室ガスの排出が減るかもしれないし太陽活動の低下によって進む寒冷化と相殺されるかもしれません。 もっと身近に,自分の40年後に備えることを考えても,不確定要素は大きすぎます。変動を繰り返しながら現在程度の景気が続くのか,20世紀初頭のような恐慌が襲っているのか,年金制度は破綻していそうだけど,そもそもまだ生きているのかも怪しい。到底予測なんてできそうにありません。 そこで,正確な将来の予測の代わりにとられる現実的な解決策として,幾つかの「シナリオ」を描いてそれを比較検討し,最も適したシナリオに沿って行動していく「シナリオプラニング」と呼ばれる手法があります。 先ほど例に挙げた40年後に対する備えに当てはめると,「日本経済が恐慌に陥っていた場合」「日本経済が不況に陥っていた場合」「日本経済が現状を維持していた場合」「日本経済が高度成長期のような活況を呈していた場合」という想定のシナリオをそれぞれ分析・比較し,最も適当と思われるシナリオに対する対策を実行していくわけです。 じゃあどれをどうやって選べばいいんだ,という疑問がわいてくるわけですが,最悪のケースを想定してそれに対応できるようにする「予防原則」という方針と,想定した事態が発生したときの影響額に発生確率をかけ,対策費用と比較して採否を決める「費用便益分析」と呼ばれる手法があり,EU 諸国は前者を,USA は後者を採ることが多いそうで,確かになんとなくそんなイメージがあります。 以上が日経サイエンス2005年7月号の「不確実な未来をどう扱うか」という記事のあらましで,記事では第3の方針である「頑健な戦略」をとるのが良いという主張が出ていますが,興味がある方は買って読んでください。 日経サイエンス2005年7月号 でこっからが本題です。もちろん RPG の話です。 「先を考えるプレイ」で書いたように,「問題が起こってパーティが呼ばれて対応することになった」という構造のセッションよりも「パーティが現状を分析した結果,深刻な問題が発生することが予測されそれに対する対応をとることにした」という構造のセッションの方がゲームとして面白くなるだろうと考えています。 つまりプレイヤが現状を分析し,「シナリオ」を描いて比較検討し,対策を実行する,というセッションになるわけです。 ただ,プレイヤたちがシナリオを描けるほど十分に現状についての情報をマスタ側で準備・提供できるか,という問題があり,テーマによって向き不向きはあるだろうと思います。 また多くのプレイヤ(僕もそうだけど)はそういったプレイに慣れていないというか「自分でシナリオを描く」という発想からしてそもそもありませんので,プレイヤたちがそうしたスタイルに慣れるまではマスタ側からの相当のプッシュが必要になると思います。さもなくば「自由に動いていいといわれたけど何をしていいか分からない」という例の困った状態と同じ事態に陥ってしまうでしょう。 どうすればこういったセッションが上手く機能するかについても,今後考えてみたいと思います。